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33話

自身の思い込みにより、無駄に時間を使った事に落ち込むユウキだったが


『操作方法は分かったんだ、気持ちを入れ替えてっと…』


心の中で気合を入れると、直ぐに画面へと目をやる。

小手調べにと左側に並ぶアイコンをタッチする。


左上にあったアイコンは『道具』だった。

これは、現在の持ち物を表示するコマンドだが、当然ながらクリックしても何も表示されなかった。


空っぽの枠が並ぶだけで、何の持ち物も無かった。


『まぁ、そうだよね〜』


クスッと一つ笑うと次へと目を向ける。

その下には、不自然な空白があったが、それを飛び越して次をクリックする。


次にあったのは『装備』だった。

当然ながら、コレは現在の自分の装備を表示するコマンドだ。

だが…


『うわぁ、本当にジャージって表示されてる』


若干引いた気持ちで表示物を見る。

そこには、今の自分が立った状態で表示されており、しっかりとジャージを着ていた。

ちなみに、ジャージをタップしてみると防御力が表示されたのだが…


『うわ、防御力までバグってる?!』


数値は文字化けしており、一体いくらの防御力なのか分からなかった。


『まぁ、ジャージが高性能な訳無いし、防御力一とか二って所じゃないかな?』


そんな事を思いながら斜め読みしていく。

下に表示されていた説明文は文字化けしていなかったので、普通に読めた。


『なになに、異世界の運動服、防御力は無いに等しいが着心地は最高?年間を通して着る事が可能、水洗い·洗濯機使用OK…って、最後の文いる?』


この世界に洗濯機なる物があるかは不明だが、取り敢えず『普通のジャージ』である事が分かっただけでも良しとした。


ちなみに靴だが、『某有名スニーカーの最高傑作、履き心地は最高だが足が早くなるかは不明』と書かれていた。

これはヤバいと見なかった事にするユウキ。


そうして確認しながら次々とクリックしていく。

装備の下は『魔法』『錬成』『精霊』とあった。

ここでユウキは首を傾げる。


魔法は元からあった。

ユウキは下級のみとはいえ、全魔法が使えるのだから知ってて当然の事だ。

まぁ、ゲーム内で魔法を使用する場合、画面下にあるスロットに、魔法を選択してセットするだけの事だし、クリックすれば魔法が発動するのだが、この世界でも同じように発動するのかは現状不明だ。


魔法発動等は後で確認するとして…そう心の中にメモをすると『錬成』に目を向ける。


これは、ゲーム内で採取した薬草をその場でポーションに作り変えるコマンドだ。

この錬成をクリックし、ズラリと表示される各種ポーションから選択、使用する薬草と魔力が揃っていればポーションが作れるのだ。


ただし、正式な道具を使わす魔力でゴリ押しするやり方の為、隠しステータスである自キャラの幸運度でポーションの品質が変わってくる。


正式な道具と手順で作れば、本人の作成スキルで品質が変わるのだが、錬成の場合、完全な運ある。


余程の時かスキルを持っていない人しか使わないコマンドだ。

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