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298話


もう一人は猫の獣人族であるフィアーだし…ってか、フィアーはリリーナの紐付きじゃないかよ!!

誰が犯人か分かったよコンチクショウめ!!


だが、どうやらマヌケは見付かったようだな………うん、俺だったよ。


「もう、その辺でいいんじゃねぇか?」

「貴女は黙っててなさい」

「やれやれ…相棒、この『羽付き』はな、自分の預かり知らない場所に、お前一人が出て行った事が許せないって言ってんだよ」


真っ赤な顔で怒るリリーナに対し、涼しげな顔のエルザの言。

うん?つまり………どういう事だってばよ?


「自分を連れて行かなかった事で拗ね」

「何を言ってるんですか貴方は!!私はただ、無防備にも対談したマスターの身の安全を考えた上で、何らかの対策をするべきだったと」

「あ〜はいはい。そういう事にしといてやるよ」


必死に言い募るリリーナを軽くあしらうエルザ。

普段と真逆の光景に、思わず見入っちまったよ、うん。


まあ、結局の所、浮遊大陸の主たる俺が、何の相談も無しに勝手に人間に会った事が許せなかったらしい。

別に、リリーナの『許可を』とかそういう訳では無く、本当に心配しての事だったのだとか。


「そっか。心配かけてすまなかったねリリーナ」

「えっ?!いや…その…えっと…」


素直に反省したら、何やらしどろもどろになっちゃったよ。

何故に?


「へえ〜流石相棒、タラシだねえ〜」


おいエルザ、その意見には反論するぞ!!

その後、気軽な態度を取った事や、騎士団長や魔法師団長のリーグとレンウェの件についても色々言われたが、そこは敢えて『俺の責任』で通した。


いや、気軽に喋るくらいいいじゃない?

後、リーグ達には罰も与えたし、うん、問題無い。


信賞必罰信賞必罰〜。


「「………」」


リリーナだけじゃなくエルザにまで睨まれでゴザル。

うん………解せぬ。





〜〜〜〜〜

今後、ニアキスとの対談は、必ずリリーナを通し、アクスレビオを連れて行く事となった。

最終的には、古代エルフであるアクスレビオに対外交を全て任せるつもりらしく、その為の練習代わりなんだとか。


「あ〜今後、外交が必要になってくるって事…かな?」

「そうですね。マスターの魔力の溜まり具合が、予想よりもよろしく無いようなので、ある程度は必要かと」

「………」


つまり、大陸を浮かせる為の時間稼ぎをしなければならないよって事か。

それも、俺の魔力が溜まらないから………と。


あれ?これって遠回しに俺のせいだと言ってないかい?


「気のせいだろ、多分?」


おいエルザ、そのセリフはコッチを見ながら言え!!

何故そっぽを向いてやがる?しかも多分と付けたな?

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