表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
296/1240

295話


〜〜〜〜〜


「大変申し訳ありませんでしたああああー」


さっきまでのフレンドリーさは何処へ行ったと言いたい程の土下座ぶり。

ユウキの対面に座っていたハズのニアキスは、飛び上がるように横へとズレると、絨毯の上に土下座した。


『いや、この世界にも土下座って風習があるんだね〜』


などと、どうでも良い事を考えながらも、何と言うか、テンプレな展開になったな〜と、他人行儀な思考をしていた。

実の所、『面倒な事になったな〜』っと言うのが本音なのだが…。


「はあ…ニアキス『殿』、頭を上げてくれないかな?話がし辛い」

「いやしかし…」

「いいから。それに今なら誤魔化せるし」


そう言うと、チラッと周囲を見渡すユウキ。

その動きに釣られて周りを見るニアキス。


見てみれば、四方のエルフ達が何やら不思議そうな顔をしている。

さすがに扉の向こう側のドワーフ達は、この騒ぎに気付いていないようで、部屋の中に入ってくる気配は無い。


少し考えた後、オズオズと椅子に戻るニアキス。

ユウキはそこで、ホッとため息をつく。


「さっきも言ったけど、今この浮遊大陸内で君達人間族の言葉を理解出来るのは、俺を入れて三人だけ。つまり、この部屋に居るエルフ達は、何を喋っているか分からないって事だ。分かる?」


ユウキにそう説明されて、なるほどと頷く。

さっきまでニアキスが、勘違いから気軽に話し掛けていたが、その内容をこの『エルフと名乗る人達』は分からずにいた…と。


「だから、勘違いでバッサリ切られるような事は無いから安心して欲しい」

「勘違いって………」

「………他の二人がこの場に居なくて本当に良かったよ…うん」


ついポツリと発した言葉だったが、聞こえてしまったニアキスは、その場でガタガタと震え出す。

ここに来る前、バレシオスにある注意を受けていた。


それは………『彼ら彼女らの主であるユウキを侮辱しない』事。

下手な事を言ってしまえば、一瞬で潰されるとまで言われていたからだ。


その際も、『潰されるってのは物理的な話だよ』とまで言われてしまい、ユウキに対してのイメージは最悪だった。

一応相手は『子供』と聞いていたのだが、まさか本当に子供だったとは思っておらず、この醜態となってしまった。


ちなみに、ニアキスの中でのユウキのイメージは、『子供のような顔をしていながら全身筋肉の塊』と言う、現実世界にあり得なさそうな姿形だった。

ムキムキの筋肉に埋もれるような子供の顔。


夜中にでも見れば、大抵の人達が失神するような化け物を想像していたとは、口が裂けても言えない事実だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ