28話
さて、現実逃避は脇に置いとくとして、目の前の壁をジッと見る。
うん、これ椅子違う、壁や、ベルリンの壁やん、壊さねば(使命感)。
ダメだ、まだ現実逃避から抜け出せない、これが夢○月読?いかん、ヤツの目を見ては、足元を見て判断…って、ヤツってダレだよ?!
さて、脳内ツッコミの後は真面目にやりましょう。
取り敢えず、目の前の巨大玉座に右手で触れてみる。
意外や意外、表面硬いかと思ったら柔らかかった、これ、材質何だろう?カーペットに近いような感じだが、軽く叩くと石のような硬さがある、うん、不思議素材。
そんな事を思いながら、ペタペタと玉座の表面を触ってみるが反応無し。
う〜ん、ゲームだと玉座付近でクリックすると座った状態で表示されるんだけど、やっぱ現実になったらワンクリックでポンとは行かないかぁ〜。
「はぁ〜」
っとため息を付きながら、玉座にオデコを当てる。
コツンと音がするが痛くは無い、うん、やっぱり不思議素材。
そんな事を思っていた時だった、いきなり『ピリッ』とした感覚が身体中に広がる。
思わず飛び退くと、ジッと玉座の表面を見る、これと言った変化は無い、しかしさっきの感覚は…。
「マスター、どうしました?」
後ろに立つリリーナが不思議そうな声を掛けてくる。
まぁ、いきなり目の前で飛び跳ねられたら驚くだろうけど。
もう一度、そっと手を当ててみる、やはり反応は無い、ならば…
オデコを当てて暫く待つ。
微弱な静電気って感じがするが、それを我慢する。
すると
「見えた!!」
「?」
つい叫んでしまったがそれも仕方がない、何しろ目を瞑ると、そこにはゲームで見た画面が、瞼の裏に浮かんでいるのだから。
とは言っても、全てが見えている訳ではない。
例えば今見えているのは、この浮遊大陸の全体マップだ。
今は真上から見下ろした感じで見えている。
大陸部分に亀裂が走っている。
この亀裂が、さっきテラスから見えてたアレなのかな?
真上から見下ろすようにしてマップを隅々まで見る。
亀裂が入っているのは、日本列島で言うと、まず九州のど真ん中、熊本から宮崎と大分の間を真っ直ぐ横断。
中四国は陸地部分に亀裂は無いが、瀬戸内海の真ん中を大阪方面に向かって分断し、中国地方と四国を南北に分けている。
関西方面は、大阪の真ん中辺りから富山方面に向かって斜めに横断。
琵琶湖まで斜めに真っ二つって…。
そこから南側、愛知県に向けて亀裂が横断。
岐阜県、今俺の城がある側にある亀裂は、どうやらコレらしい。
そして関東、東京湾から新潟県まで斜めに横断、埼玉と茨城、群馬と栃木の県境に沿って亀裂が走っている。
そして東北地方、岩手県から秋田県までのど真ん中を横に亀裂が走っている。
ここは真っ直ぐにさけているようだ。
北海道は何も無し。
それにしても、上から見下ろすと圧巻だよ。
それぞれの亀裂がハッキリ見えて、しかも背後には青い空間が見えている。
これ、多分空…だよな?
海もいくつか分かれているようだが…不思議な事に、海水が亀裂から落下しているようには見えない。
海すらも大地と同じように切れている。
うん、不思議現象。




