26話
さてさて階段上がると、広い空間に出た。
正面に通路があるけど、ニ十メートルあるか無いかくらいの短い通路。
…アレだね、ここに来るまでに百や二百メートルはありそうな通路を通って来たせいか、この程度の短い通路って思ってしまう。
正面に巨大な扉が一つ、左右に普通の扉が一つずつ、これって正面が玉座の間だよね多分。
「マスター到着しました」
そう言うのはいいけどリリーナ、いい加減降ろして?え、まだダメ?だけど…はぁ、分かりました。
そう言って正面の大きな扉前まで進んで行く、いや〜楽ちん楽ちん、俺のなけなしのプライドは木っ端微塵に砕けたけど。
ここには、下の階であった真っ黒い全身鎧は無いけど…正面の大扉の左右にトンデモナイのが設置していやがりました。
全身ムキムキのマッチョなボディ、胸当てっぽいのと腰からは腰布とでも言うのかな?あとズボンのようなモノを身につけて、それぞれ片手を開いてポーズを取っている。
向かって左側の像の顔は、口を閉じて睨みつけ、右側は口を開いて目も大きく見開いている。
しかも、大きさは三メートル程。
待て、これって『阿形像』と『吽形像』じゃねぇか!!なんでだよぉ〜!!世界観ががががが!!しかも、顔の造形が微妙に『私が来たぁ〜!!』のあのキャラっぽいじゃねぇか!!何?この二体ってオールでマイトな感じなの?誰が設置したんだよ!!俺じゃねぇよ!!俺たちだったらもっと違うの設置してるよ!!『なんとかフリード流なんとか術』っての使いそうなチェスの達人の像にするよ!!そんな像無いけど。
ヤバい…気が付いてから一時間もたってないのに疲れがピークに。
「ま、マスター、お疲れですか?大丈夫ですか?」
うん、疲れてるよ、ツッコミ疲れだよ、だけど言う訳にもいかないよね。
取り敢えず無言を貫き、玉座に直行で。
〜〜〜〜〜
大扉を抜けた先で見た物に、思わず見惚れてしまった。
天井まで十メートルはある空間に豪華なシャンデリア。
扉から玉座前まで赤いカーペットが敷かれ、床は大理石。
左右の壁には、巨大な無地の垂れ幕が降ろされている。
アレだ、迫力が違う、語尾が無くなる、言うべき言葉が無い。
ゲーム内だと、移動先がこのカーペットの途中だったし、そこから行けるのは玉座付近までだった。
横の壁もテクスチャを貼り付けた存在だったのに、見える限り、ここも立体的になってる。
指揮所と同じで触れる事も出来るんだろうな、そんな事を考えてしまう。
グルリと周囲を見る、大きさは、ちょっと大きな体育館がイメージに近いかな?
不思議と温かい感じがする、これは魔力のせい?
そこまでは良い、うん、良いんだよ…ただ
『なんで玉座までもがこんなにデカいんだよ?!』
玉座が大きい、ホントに大きい。
パッと見た感じ、座席部分だけで三メートル?さらに背もたれ部分は五メートルはありそう。
横幅も二〜三メートル?天井部分から下がっている垂れ幕部分に振れそうな大きさだ。
「いや、こんな玉座設置した覚えは…あったな」
ふと思い出した、ゲーム内での話だが…。
確か四年目辺りのイベントで、某大きな巨人が攻めて来る某有名アニメとのコラボがあり、その際に手に入れた物だ。
ちなみに、そのアニメにこんな巨大な玉座が出て来る事は無かったのだが、何故かガチャアイテム欄に、この巨大な玉座があったのだった。
勿論、ゲーム内では、この玉座付近に近付きタッチすると、自キャラがちょこんと座っているモーションが出る。
ついでに言うと、ユウキ本人がそのガチャで欲しかったのは、ウォールなんちゃらと呼ばれる巨大な壁アイテムだったりする。




