246話
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さて、あれから一時間が経過した。
今の俺、ユウキはと言うと…
「ふむ、中々美味いお茶だなこれは。この島?いや大陸だったか?の原産品なのか?」
傭兵側の代表を名乗る男性と、対面会話しています…何でさ?!
しかもドワーフ達が
「木材が余ってるんで、休憩所でも作りますぜ」
とか言い出して、あっと言う間に四阿が作られた…と。
そこに座らされたと思ったら、エルフ達がお茶菓子持って来たよ…いやホント、何でさ?!
「いいじゃねえかよ親方、今はどっしりと構えて待ってる時間だぜ」
などと、意味不明な事を言うドワーフ達、そしてやはりの親方呼び。
そのドワーフ達も、それぞれ持ち込んだ木材で椅子を作り、ノンビリとしていたりする。
しっかりとエルフ達の分まで作らされていたが、その後、お茶やお菓子を分け与えられていたので良し…なのかな?
そんな感じで、対面している傭兵達とは真逆のノンビリした状態で、向こうの出方を窺っていた。
状態が変わったのは、ここで待機してから一時間後、丁度今と言う所だろうか。
何やら豪華な衣装を着た人物が、コッチに向かって歩いて来るのが見えた。
この時点で嫌な予感かしていたのだが、まぁ、ジタバタしても始まらないと瞬時に諦めてお茶を飲み干す。
直ぐ様、新しいお茶をエルフさんが入れてくれるんだけど…見た目が中性的だから、何だかドキドキする。
「やあ初めまして、君が彼らを指揮する少年だね?」
いきなり四阿の側に来たのは、見た感じ二十代後半に見える男性だ。
スラリとした手足に、ゆったりとした服を着ている。
無駄な肉は付いていないようだが、戦える程は鍛えていない、そんな感じだ。
最初に話をした傭兵が、すぐ側に立っている。
なるほど、彼が護衛でこの男性が主と言う訳だ。
「そう、彼ら指揮する、この浮遊大陸の主」
「ふむ?」
浮遊大陸の主と言う部分で何やら反応したけど、さて…どう出る気かな?
…っと、構えていたら、勝手に四阿に入って来て対面に座ったよ。
ちなみに、彼を出迎えたりはしていない。
いや、ドワーフ達に指示出したんだけど無視された…おい、俺、君らの主だよね?
対面に座った男性が、ジッとこっちを見て来るので、側に居たエルフにお茶を出すように指示をする。
準備している間、何も会話してこない所が怖いねぇ〜うん。
そして、お茶を眼の前に置かれて一口飲む。
いや、護衛の傭兵が慌ててるけどいいの?
まぁ、毒見もせずに飲み出したら誰でも驚くだろうけどね。
………今度、リリーナの前でやってみようかな?
驚く…よりも怒る未来しか見えないや、うん。
静かな状態で、時間だけが過ぎて行く。
いや、そんな事より早く帰ってくれないかな〜この人達。




