205話
頬を指で掻きつつ、彼女達に分かるように説明しようとするユウキ。
『ゲーム世界とか設定とかを無しとして、何らかの支配力の元って運営の事をボカしちゃえば…アレだ、運営の部分を神様への貢物的なって言っちゃえばバレない…かな?』
色々と考えてみたが、結局は行き当たりばったりとなってしまった。
曰く、『異邦人達は神様によって別世界から連れて来られたんだよ』とか『その対価として神様に貢物をお供えしていたんだよ』とか言ってみた、うん、嘘は云ってない。
副音声側が本音になるケド、嘘では無い。
ても、さすがにコレは信用出来ないでしょ?
いくらなんでもお供え物がお金って…ヤダよ、そんな俗物的な神様。
そう思ってたんだが…
「なるほど、そう言う事だったのですね。それならお金が必要なのも納得出来ます」
「へぇ〜神様へのお供え物ねぇ〜。大変なんだね〜異邦人って」
待て二人共!!正気に戻れ!!
いや、この無茶苦茶な理由を信じてくれるなら楽なので良いけど、だからと言ってこんな穴だらけの理由、信じちゃダメだろうがぁぁぁぁー!!
そう心の中で叫んでた俺…悪く無い…ハズ。
ちなみに、別世界であるココに来てしまった事で、神様との接続が切れてしまっている…っと言ったのだが、そんな嘘…じゃなかった、理由付けにも「それなら仕方がない」と返事する始末。
もう何て言うか…色々とツッコミたい。
でも、信じてくれた彼女達に、今更『嘘で〜す』とは言えない。
そんなモヤモヤした感情を抑えつつ、外の世界との外交問題は無しとの通達だけは徹底した。
後は、どうにかして浮遊大陸を空に浮かせないといけない。
コッチに関しては、リリーナ曰く「マスターの魔力が回復すれば問題無いかと思われますよ」との事。
実際、玉座の間に行って浮かび上がらせられないか試したのだが、頭の中で命じた瞬間、凄まじい勢いで魔力が吸い取られてしまい、動けなくなった程だ。
『浮かべ』と命じただけで、これだけの魔力を持って行かれるとは思ってもみなかった。
これは暫く魔力回復に集中するしかないかも。
まぁ、今回消費した魔力は、前回の壁を作った時よりも少なかったので、何日も寝込む必要は無かった。
それでも、三十分は動けなくなったので油断は禁物。
こうして、浮遊大陸の今後を決定していたのだが…まさか、この二週間後、ほぼ強制的に外交をしなければならなくなるとは、この時点では思ってもみなかった。
そう…
外の世界の大国が、三国同時に浮遊大陸へと上陸して来たのだった。




