173話
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さて、今言った獣人族の事は、キング·オブ·キングオンラインのゲーム内設定の話だ。
当然だが、ここは現実世界、アプデなんてものは存在せず…後は分かるな?
リリーナの話を聞いて思ったんだが、獣人族、特に獅子の獣人達は、『この間違ったツンデレを地で行く感じ』になっているらしい。
らしいと言うのは、リリーナ達にとっては、元からそんな種族だったとの意識があるからだ。
獅子の一族と言えば、口が悪く、性格も横暴、獣人族の中でも嫌われ者と言われている。
見た目が獣寄りの獅子ほど、酷い傾向にあるらしい。
「獅子の一族でまともそうなのは人間寄りの者達だけです。それでも『マシ』なだけですが」
リリーナが吐き捨てるように言うが、そこまで嫌われているとは…ちょっと予想外。
なにしろ、南斗の五将の一人は、獣寄りの獅子の獣人だし、ある意味君の同僚なんだけど?っと、聞いた所、本当に嫌そうな顔をされた。
あれ?同僚だった…よね?
俺の思い違いじゃなかった…よね?
「申し訳ありませんマスター、私にも好き嫌いがありまして…」
いや、そんな真剣な顔で言わなくてもいいんだけど…そうか、彼の事嫌いだったのかぁ〜。
彼、獅子族の獣人で南斗の五将の一人。
レベル二百四十の獣寄りのキャラ作製により、力だけならエルザよりも上の戦士系統だ。
獣寄りでキャラ作成をした為、魔法の類は一切使わず、打撃や斬撃を中心としたスキル構成で育成してある。
防御面は、エルザより少々下だが、優秀な防具を装備させた事で、格上の相手であっても互角の戦いをする事が出来るようにしてあった。
そんな獅子族の彼だったのだが…まさか同僚にここまで嫌われていたとは…ホント、俺の知らない所で何があった?
ちなみに、エルザにも聞いてみたのだが…
「あぁ?!アイツか…アイツは力量はあるんだが…な」
っと、濁した答えしか帰ってこなかった。
いやホント、マジで何やったんだよ彼は?!
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話がかなり逸れてしまったが、現状、市民同士の争いの大半が、彼ら獅子の一族が関わっているらしい。
特に、ユウキに従っている者達に対してのイヤガラセが殆どなんだとか。
各地にある中規模から大規模の町や村は、ユウキが浮遊大陸を得た時から資金援助をし、それによって大きく育てた地域になる。
更に、それぞれの村から町への行き来を良くする為に、街道整備も行って来た。
ゲームのシステム的に、街道で町や村を繋げる事で、作物の取引や商売の活性化により、税収入が上がるようになっている。
面倒だが、先の事を考えれば、初期にケチる事は悪循環しかない。
街道整備による活性化は、住民を増やす事にも繋がる政策だからだ。
税を取る事だけに執着すれば、折角集まった住民を取り逃がす事にもなる。
そんな変な所だけは、やけにリアル思考なのが、このゲームの人気の一つだったのかもしれない。




