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169話

〜〜〜〜〜

城を出て三十分程たっただろうか。


『カッポカッポ』と軽い音を立てながら騎馬の軍団が通りを歩いて行く。

周囲には、建物の土台作りをしているドワーフ達を中心に、何やら驚いた顔を騎馬の一団に向けている。


速度としては、人が早歩きする程度だが、巨大な馬達は軽快な動きをしている。

右側に建設中の住宅地、左側に水を湛えた水路があり、その向こう側には黒い城壁がある。


「はぁ〜」


ついつい馬上から見える景色に、思わず感嘆の声が出てしまう。

初期に貰える城だが、現実化すると結構デカい事に気付かされる。


最初にテラス部分から見た時もそう思ったが、こうやって見上げると、更にデカく感じる。

まぁ、ユウキが小学生の姿になっているから、余計に大きく見えるのだろうが。


『これ、課金の大型城やポイント変更で手に入る城に変更したら、どんな感じになるんだろう』


更にデカいであろう他の城の事を考えると、なんとも想像が付かない。

ちなみに、ユウキの魔力をそれなりに消費すれば、城の形状を変更する事は出来る…が、現在の体感での魔力量では、とてもじゃないが無理だ。


『城の変更に魔力使ったりなんてしたら…俺、絶対倒れるよな』

「何をお考えです、マスター?」


後ろからリリーナに声を掛けられて、意識を城壁から元に戻す。

目的地までの移動時間に、現在までの状況説明と対策を聞いていた所だった。



〜〜〜〜〜

獣人族の青年ベランは、昨日、他に二人の獣人と共に、この城下町に入り込んでいた。

目的は城下町の現と城の警備状態の把握だ。


ベラン達の住む場所は、この城のすぐ北側、大きな川を挟んだその先に、自分達で住宅を作って住み着いていた。


現実の日本地図で言うと、木曽川、長良川の間、岐阜市の辺りの位置に、この黒い城が建っている。

長良川の北側に、彼ら獣人族が住んでいるイメージだ。


ただし、これは現実世界の地図で言えばの話。

キング·オブ·キングオンラインゲームの中では、木曽川、長良川、揖斐川の三つに相当する川が、実際のマッブ上に流れているが、微妙に形状が違う。


まず木曽川が、マッブ南側の河口から、少し北に進み、東側の山の方向から流れている。

途中からガクッと九十度曲がって存在している感じだ。


そして長良川。

木曽川が九十度曲がる位置までは一緒になっているが、そこから北側に真っ直ぐ伸びた後、東側に向かって緩やかなカーブを描きつつ、飛騨高原へと繋がって行く。


現実の日本地図では、木曽川の方が飛騨高原側と繋がっているハズだが、このゲーム内では長良川の方が弧を描きながら繋がっている。


ベラン達獣人族の住む建物は、この飛騨高原と城の間を分断するように流れている長良川の北側平地に存在しているような感じだ。


ちなみに揖斐川にあたる川は、マップ北西側に向かって真っ直ぐ伸びている。

そして、この川の配置には、実際の岐阜県民のプレイヤー達から『川の形が全然違う』とのツッコミがあったが、運営側からの『ファンタジーゲームでのマッブ設定ですから』との返答に何も言えなかったとか。


当然ながら、各川には、木曽川、長良川と言った名称は付いていない。

運営側も『参考にさせてもらっただけ』と注意を促していたりする。


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