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168話

獣人族の青年を更に詳しく取り調べた所、この数日の間に獣人族が活発に動き回っていた事が分かった、勿論理由も。

彼らは『諜報活動』を行っていたのだった。

城へと攻め込むタイミングを調べる為に。


リリーナ達がピリピリとしていた理由はコレだった。

復旧作業で周囲への注意力が散漫になっている今こそ、攻め時と考えたのたろう…とはエルザの話。


「ヤツならそうする」と言ってた事から、知り合いなんたろうと予想。

それにしても諜報活動…ゲーム内であれば、そんな話は無かった。


住民に不満が溜まれば、住民の数が減って行くシステムだ。

間違っても反乱を起こすなんて事は無かった。


『やっぱ、ゲーム内の浮遊大陸とは色々違うのか』

「おい相棒、ボーっとしてどうした?」


考え事をしていたら、背中を思い切り叩かれた…止めろエルザ、背骨が折れる!!


「マスター、お体の調子が悪いのでしたらお部屋でお休みした方がよろしいのでは?」


リリーナから、遠回しに『部屋から出てくるな』と言われたでゴザル。


「いや行くよ。俺がこの浮遊大陸の…管理者なんだから」

「マスター」


うん待てリリーナ、何で感極まった感じになってんの?君が、事ある毎に『王様』呼びしようとするから、間を取って『管理者』を名乗ってるだけなんだけど?


ちなみに、俺は今、完全武装で馬房に来ています。

ってかこの城、馬飼ってたんだ…知らなかった。


パッと見、四十頭はいるかな?かなり大型の馬ばかり…ってか待て、コレ普通の馬じゃない?!

体は大きく、ガッシリとしている。

アレだ、『ばんえい競馬』の巨体馬だ。


体全体が筋肉でムッキムキ、足とは太い、しかも全体がデカい。

ただし、頭に二本の角が付いてるのを除けば…だけど。


眼の前で、馬用鎧を付けられているのを見ていると、その迫力に驚く。

こんなのが突撃してきたらビビるよ絶対。


「マスター、もうまもなく準備が整います」


リリーナの声で『ハッ』となるが、いや〜圧巻だわコレ。

騎馬が十二、馬車が二台、完全武装状態。


ちなみに、騎馬には十人のエルフ達が乗るようだ。

全員革鎧を着ており、鞍を付けて安定性を確かめてます。

馬車の方は、四頭ずつ馬を繋ぎ、鉄の鎧を着込んだドワーフ達が乗り込んでるようだ。


よく見たら馬車の方、フレームから車輪まで総鉄製だ。

うわ〜重そう…って、その為の巨体馬か?!納得。


「さて、ワタシ達も乗るかね」

「さぁマスター、お手をどうぞ」


同じく、完全武装した馬を二頭、エルザが連れて来た。

真っ白で黒い鎧を付けた馬がエルザ用、真っ黒で白銀の鎧を付けた馬がリリーナ用だ。


…いや、そこまでは良いんだが…。


何で俺がリリーナと二人乗ダンデムりなんだよ?!

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