表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/1237

167話

その一部の中でも過激な連中が、数年前に港町へと攻め込み撃退されたんだそうだ。


「あ、撃退されたんだ」

「完膚なきまでにやられたと聞いたぜ」


そんな話をしていると、目の前の獣人の青年は困り顔、後ろの子供達は驚き顔。


「嘘だ、そんなの!!俺達の一族が負けるハズがねぇ!!」


押え付けられてた獣人の子供だけが一人だけ喚き散らしている。

多分、自分達は負けていないって教え込まれているんだろうなぁ、うん。

しかし数年前か…話の感じから、俺がこの浮遊大陸を掌握した時期の混乱を利用したって所かな?


そうして、獣人族同士の争いに負けた彼らは、一族を引き連れて海を渡り、何故かこの城の北側に逃れて来たんだそうだ。

しかしエルザ、そこまでよく分かったね?

え、この獣人の青年が全部ゲロった?…うん、言い方がアレだけど、なるほどと納得しておくよ…次からは『ゲロ』って言葉を使わないでくれるかな?一応女性なんだし、美人が台無しになるから。


…って伝えたら、何故か顔真っ赤のエルザから怒られた…なんでさ?!


「マスターは真正のタラシですね」


あっるぇ〜?リリーナからタラシって言われた、なんでさ?!

俺、本音で話しているのに?!


あ、何かエルフやドワーフにまでため息を吐かれた…解せぬ。



〜〜〜〜〜


『ガンガンガン』と、場内に音が響き渡る。

その音を聞いたドワーフ達が、慌てて防具を着込んで走り出す。

目指すは城中央の中庭。


巨大な木を背景に、三人の人物がそこに立っていた。

その三人の前には、革鎧姿のドワーフ達がズラリと並んている。


「全員集まった訳じゃ無いけど、こんなもんじゃないかな?」

「半分程度ですけど、仕方がないですね。今後は、素早く集まる訓練が必要ですね」


エルザとリリーナの言葉に、一部の者達が青ざめた顔をしている。


「いや、騎士団編成してまだ三日目だよ?そこまで厳しくしなくてもいいんじゃないかな?」

「甘いな相棒」

「マスター甘いです」


何故か速攻で否定されるユウキ。

『何故そこまで?!』との思いはあったが、そこはグッと飲み込む。

『口で女性に適う者無し』は、ユウキの座右の銘だったり…しない。


先程鳴らされたのは、緊急時の合図だ。

鉄の板を使った『鳴子なるこ』であり、場内外で働く者達に、異常を知らせる為の物だ。


この合図が鳴ったら、中央広場に集まる事になっている。

それに従い、現在はドワーフとエルフが集まって来ている。


集まったのは、非番を除いた者達で、ドワーフが二十人、エルフが十人だ。

他の者達は、それぞれ場内警備や街中の巡回に行っておりここには居ない。


彼らを集めたのは、城の北側に住む獣人族に、不穏な動きがある為だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ