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164話


〜〜〜〜〜

目の前の青年は、人型と獣型の中間にあたる。

多分、五段階設定で言えば、丁度三になるのかな?言い方は悪いが、微妙な人型と言える。


ただ、人型と言うには少し違和感もある。

顔を見ると、顔の中心が少し前側に出ている。

横から見ると分かるが、目の下辺りから顎に掛けて前側に顔が出っ張っている。


その出っ張り部分に人の鼻が付いており、鼻と眉間の中間付近に結構大きな角が付いている。

この角の形状見た事ある。

アレだ、クロサイだ、大きく立派な角と少し小さな角が並んでる。


確か、クロサイとかシロサイってのが角二本あってインドサイが一本だっけ?

子供の頃、動物園でそんな看板見たような記憶が…って、今はそんな事関係無いか。


で、そのサイのような青年、名前をベランと言うらしいが、リリーナの話によると、どうやらこの子供達の保護者のような者らしい。

チェニックと呼ばれる服を着ているが、生地が悪いのか袖口が少し解れている。


その袖口から覗く腕には、何やら鎧のような皮膚が見え隠れする。

こう、ヒダ状って言うのかな?革鎧のような感じの皮膚が見える。

そう、皮膚なんだよな〜これが。


所々ヒダ状の部分が皮膚と一体化しているように見える。

これは硬そうだ、うん。


指は人型になっていた。

まぁ、蹄だったら人型として生活し辛いだろうけど…跪いているから足が見えないけど、多分普通の足なのかな?


そんな彼が背中に庇うようにしている子供達。

四人の内、三人が完全に人型だね。

猫型の男の子と女の子、犬型の男の子、そして多分馬…かな、あの耳の形は?馬型の男の子。


この四人は、ベランと呼ばれる青年の背中にしがみついている。

う〜ん、そんなにビクビクされるとコッチも困るんだが…別に取って食ったりはしないよ?


さて、この四人の子供達と青年は問題無い。

一番の問題は残る一人。


「ぐがががががー!!」


二人のドワーフによって絨毯の上に顔を押し付けられている子供が一人。

顔を見れば分かるんだけど、ライオンだよ、完全に。


ライオンらしい顔、口元からははみ出した牙、まだ子供だからかたてがみはまだ生えてないようだ。

指は、丸みを帯びてて短いんだが、あれって肉球付いてるのかな?

あと、物を掴んだり出来るのかな?俺、気になりマス!!(古い)

服からはみ出している手も足も薄っすら毛で覆われてるし…二足歩行するライオンだね。


何故、完全獣型の子供だけ押さえつけられているかと言うと、この玉座の間に入って来るまでは大人しかったんだが、ドワーフ達の視線が外れた瞬間、コッチに向かって走り出したからなんだよなぁ〜。


俺の方を睨み付けてる所を見ると、あのまま玉座まで一息に来る気だったんだろうなぁ〜っと予想。

君、無謀過ぎるよ?

多分だけど、俺に何かする前に、リリーナによって切り捨てられてたと思うよ、うん。


取り押さえてくれたドワーフ二人、グッジョブ。

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