157話
エルフ達の方だが、コチラも大きさ変更点が出た。
まず回復薬を作る職人達に関してだが、若手を中心とした五百人程が、一日十個から二十個を作って販売する事にしたらしい。
国内での一般人向けに販売する為、かなり値段も性能も控え目になっているそうだ。
ただし、一般人も毎日怪我する訳でも無い為、余った場合は城で買い取る事にしてある。
買い取り値段は、まぁ少々低めになってしまうが、売れ残ったまま放置と言うのもよろしくない。
勿論、彼らの生活が脅かされる程低く買い叩くつもりは無い。
回復薬の性能をしっかりと見定めて、赤字にならない程度の料金を払うとリリーナは言っていたので、全て任せる事とした。
残ったエルフの職人の内、千五百人程は別の仕事に付きたいと言って来たので、当然ながら許可した。
いや、許可はいらないと言うつもりだったのだが、何故かリリーナとエルザから『ちゃんとした許可制にするべき』と言われ、渋々承諾した。
専用の書類まで作り、内容確認後に俺のサインが入らなければならないそうだ。
更にその書類を額縁に入れ、店内の見える場所に設置しなければならない…っと言うルールまで作られてしまった。
「いや、既に店を持っている人達はどうするんだよ?」
「勝手に店を出している者達には、改めて書類を提出してもらいます」
うわぁ〜、リリーナが厳しいです。
ちなみに、この書類による許可を持っていない店はどうするのかと聞いた所、ニッコリと笑顔で返された。
えっ、その笑顔ってどういう意味?不安しか無いんだけど?
さて、残り五百人のエルフの職人達だが、彼ら彼女らの内、四百人程が魔法使いとしてリリーナの下に付く事となった。
「まぁ、北斗の七将である『あの二人』が帰って来るまでの間ですが」
リリーナの言う『あの二人』とは、内政担当をさせているNPCであり、古代エルフ、古代ドワーフと呼ばれる上位種族だ。
この二人は、採取と採掘のスキルを最大まで鍛え上げたキャラになっている。
…まぁ、ゲームの中では…だが。
帰還命令の為の伝令は出してあるので、その内帰って来るだろう…っと言うのがエルザの見立だ。
まぁ、当分はエルザとリリーナに、ドワーフとエルフを率いらせるしかない。
さて、残った百人のエルフ達だが、城での雑用係、つまり『使用人』として雇う事になった。
これは、リリーナからの要望であり、広い場内を今の少人数で維持するのは難しいとの事だった。
それはそうだと許可したのだが、彼らだけではなく、将来的には更に増員するつもりだと、リリーナからの話だった。
えぇ〜、まだ増えるの?え、メイドさんを中心に増やす?マジで?
本気だったよ、あの娘…。
ちなみに、雇入れた使用人は、男性が二十人、女性が八十人だった。




