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150話


そんなドタバタ劇も、リリーナが軽く暴れた事で何とか収まり…収まったと言って良いのかはさて置き、リリーナの話の続きが始まった。


ちなみに、ドワーフ達の顔面には青痣がいくつか付いており、エルフ達がそれを眺めて鼻で笑っていたりする。

いやエルフ達、笑ってやるなよ。

騒いでたのは君らも一緒なんだし?殴られなかったのは、運が良かった程度だから。


「んん…、さて、何処まで話たのでしたか?」


落ち着きを取り戻したリリーナだったけど、続きが何処からか分からなくなったようだ。

まぁ、その気持ちは分かるケド…。


「リリーナ、クリスタルに魔力を注ぎ込んだ所からだよ」

「ありがとうございますマスター」


胸に手を当てて、コチラに軽くお辞儀をすると、朗々と続きを話しだす。

そこからは俺が知らない場面だった。

いや、知らないと言うよりも『全く記憶に無い』と言うべきだろう。


「その瞬間を私は見た。崩壊していく大地が、何処とも知れない空間へと飲まれていくのを。それをマスターが、御自身の魔力を持って繋ぎ止めたのです」


いやスマン、記憶に無いじゃなくて、身に覚えが無かった件。


「外周部分は間に合わなかった。マスターは………心を鬼にして、この浮遊大陸を守ったのです」


あ〜、その点々部分はアレか?外周部に向かわせていた『四将』に対する皮肉か?『的盧』探して『髀肉之嘆』の四文字熟語作るぞコンチクショー!!

確かに、こうやって浮遊大陸が現実になり、全員が実体化すると分かっていれば、無理にでも戻らせた…いや、今更『たられば』の話をしても仕方がないな、うん。


願わくば、五将の四人が同じこの世界に来ていると良いんだが…。


さて、リリーナの話の続きだが、その後は『力を使い果たし、落下して行く俺をリリーナが掴まえた』との事だった。


「おい待て!!ワタシが先に手を取ったんだぞ。勝手に自分だけのように言うな!!」

「何を言っているの?羽根を持つ私が、空中を漂うマスターを見つけてその手を掴まえたの。貴女は岩の間をピョンピョンと飛び跳ねていただけじゃない?」

「っざけんな!!ワタシが手を取った後に入り込んで来たクセに!!羽根を持つ?落下する相棒を見つけられずオロオロしてただろうが」

「なんですって!!」


俺の知りたかった場面で、『どちらが先に掴まえた』かでの言い合いが始まってしまった。

まだ『口撃こうげき』だが、このままだと手が出るんじゃないか?


止めろよ二人とも。

君らのレベルで殴り合いでも始めたら、ここで止められる者が一人もいないんだからな?俺も含めて!!

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