144話
閑話休題
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そんな住人の中でも、コレだけはやっておこうと思ったのが、ドワーフとエルフの確保だ。
さっきも言っていたが、彼らは武具作製から回復薬作製までお手の物だ。
ついでに言えば、俺自身がこの浮遊大陸を武器、防具、回復薬販売の中心地にしてやろうと思っていた。
この時点で、武器も防具も回復薬も、俺が作ろうと思えばかなり高級な代物が作れるのだが、肝心の数が作れない。
素材集めの時間も含めると、とてもじゃないが一人では無理だ。
そこでドワーフ達を雇入れたわけだ。
ドワーフを十人雇い、それを武器作製に五人、防具作製に三人、アクセサリー等の小物作製に二人担当させた。
この分配により、一番消耗の激しい武器類を大量生産し、次に消耗の激しい防具、特に盾を生産、最後にアンクルやアミュレットといった小物を作製していく。
武器に関しては、売りに出せば、余程高い値段設定にしなければ即売れる。
特に、浮遊大陸産の武器類は、店売りよりも少々上の代物を同じ値段で販売しているから、余計に売れる。
店売り品は、品質も武器の攻撃力も当たり前だが一律で、手頃な値段設定だが、浮遊大陸産は違う。
例えば、店売り品の鉄の剣が攻撃力百五十だとすれば、浮遊大陸で作られている同じ鉄の剣は百六十から百九十になっている。
微々たる違いだが、初心者にとっては大違い。
ほんの少しの攻撃力で、一撃で倒せるか倒せないかが決まる。
敵の攻撃を一撃でも食らいたくなければ、少しでも攻撃力の高い武器を選ぶのだろう。
そういったプレイヤー達がお客様となる。
その為に雇ったドワーフ達が、リアル世界になると『ガルゴース』という名前を持って表れた。
いやはや、ビックリだよ。
ちなみに、何でドワーフ達を雇入れなければならなかったかと言うと、自身の武器作製スキルのレベルが上がり過ぎて、普通の鉄の剣が『高品質の鉄の剣』になってしまい、とても安価で市場に出せる代物ではなくなったからだ。
攻撃力百五十程度の鉄の剣のハズが、攻撃力千を超える鉄の剣になるなんて…うん、これはアカン。
しかも、攻撃力が高いだけで、魔法剣のような付与が何も無い上、武器の耐久値も普通の鉄の剣並みとなれば、ホント、初期の初心者用マップぐらいにしか使い道が無いという。
ちなみに、中盤以降のマップでは、火や風等の魔力を帯びた武器が主流となる為、ノーマルの鉄の剣など出る幕も無い。
予備武器としては使い道があるかもしれないが、魔力を帯びていない武器なんてその程度の物だ。




