143話
王を名乗り、自身の領地を発展させて行く。
ここから先は、何処ぞの有名シュミレーションゲームのような部分も発生してくる。
王を名乗った瞬間、ランダムで領地を得る事となり、隣接する他の王国との交渉なども始まる。
初っ端から攻められて即滅亡なんて、目も当てられない。
勿論、そんな事にならないよう、救済措置はあるのだが、今は割愛。
そうして得た領地には、必ず一つは村がある。
王として、或いは領主としての最初の仕事は税率調整、外部との外交、そして内政の三つだ。
税率調整は、余程の事が無い限り触る必要は無く、外交は最初の数ヶ月は『絶対に攻められない』システムの為、急ぐ必要は無い。
問題なのは内政だ。
内政は、最初に得た村の情報を見る事から始まる。
それと言うのも、最初の村の村人達の職業はランダム配置になっている。
このランダム配置が、かなり厄介だ。
なにしろ、特技に商売人を持っているのに農作業をしていたり、農作業の特技を持つ人が商売人をしていたりする。
これの何が問題かと言うと、それぞれ税収に関わってくる。
得意でも無い職業に付いている事で、生産性が半分に落ちてしまう。
逆に言うと、これらの特技を生かした職に付かせると、税収が倍増するのだ。
初期の村一つでは、それ程の差は出て来ないが、長い目で見れば馬鹿に出来ない数値だ。
更に、複合特技を持っていたりする住民は、大事に育てると国の発展にかなり貢献する事となる。
『変な所がリアル思考なんだよなぁ〜』
そんなゲームシステムに、思わず呆れてしまう。
そんな内政システムの中で、ドワーフとエルフは特に貴重だ。
ドワーフは、生まれ持った特技に『鍛冶師』『商売人』『採掘』の三つを必ず持っている。
鍛冶師はその名の通り、武器や防具を作製する特技だ。
商売人は店を、採掘は岩石系の素材集めに役立つ。
そしてエルフは、『薬剤師』『商売人』『採取』の三つを持っている。
薬剤師は、回復薬を作製する特技だ。
商売人は店を、採取は薬草系の素材集めに役立つ。
浮遊大陸の場合はと言うと、最初から広大な領地を持ち、複数の村と町が存在していた。
さすがに全ての町や村の住人をいじるのは無理なので、一覧表から何人かをチョイスして専門職に就かせたりした。
残った人々は、時間が合った時にチマチマと変更していったが、全てを変更する事は出来なかった。
この浮遊大陸を手に入れた当時は、総人口は九万人程だったハズだ…記憶が正しければ。
いくらなんでも九万人の住人を全員チェックするのは無〜理〜だぁ〜!!




