142話
エルザの与太話はさて置き、リリーナの話へと耳を傾けるが、まだ浮遊大陸が異世界へ来た話の途中だった。
以外と時間が掛かるんだな〜。
内容からかんがえると、もう五分…いや、十分くらい話を進めないと浮遊大陸襲撃にまで行かないような気がする。
ってか、俺の歩んで来たゲーム進行と、彼女達の進んで来た世界観が違い過ぎるんだが、どういう事だ?
熱演するリリーナを横目に、足を組み右手は頬杖をする。
うん、何か偉そうだなコレは。
小学生にしか見えない子供が、豪華な椅子に座ってふんぞり返り、足を組んで頬杖って…これで膝上に猫でも置いたら…ダメだ、間抜けなヤツにしか見えない。
こう、THE·悪役って感じの人って、何であの格好が似合うんだろうか?
普通の人がやっても何かこう…似合わないんだよな〜。
顔か?やっぱ悪役顔が必要なのか?
そんな事を考えつつ、ドワーフ達とエルフ達を見る。
さっきまでは不満顔をしていたが、今では真剣にリリーナの話を聞いている。
この二つの種族ってか、彼ら二十人に関しては、やっと思い出した事がある。
彼らは、この浮遊大陸を手に入れた際に雇い入れた職人達だって事に。
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キング·オブ·キングオンラインでは、最初にプレイヤーが手に入れる拠点は、小部屋になる。
六畳程度の小部屋で、荷物を置くボックスのみが設置されている。
そこに『家具アイテム』と呼ばれる物を設置していき、自分なりの部屋にするのが、ゲーム初期の楽しみ方だ。
次の拠点は一軒家、これは色々なクエストをクリアーすると貰える代物だ。
ソロのプレイヤーであれば、この一軒家入手までが目標になる。
ここから先になると、協力プレイが必要になってくる。
一軒家の次は小砦、領地の無い拠点と思えばいいだろう。
小砦の場合、十人までが自身の拠点として登録出来る。
この登録とは何かと言うと、所謂ゲーム内での死に戻り時の指定場所になる。
砦を持つプレイヤーは、砦と自身の一軒家、どちらかを死に戻り時の設定が出来るようになっている。
まぁ、どちらにしてもそれ程問題は無いので、ここはプレイヤーの好みになる。
そして小砦から中砦、大砦とレベルアップしていく事になる。
違いは部屋数と拠点登録出来るプレイヤーの数だけだ。
中砦で五十人、大砦で百人が登録可能になる。
この砦から先に進むと、このキング·オブ·キングオンラインの醍醐味、領地戦争になってくる。
それぞれのプレイヤーが、自身の力で領地を持ち、王を名乗る事が出来るようになるわけだ。




