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122話


「おぉ〜凄い、見た目と違って柔らかい。ふっかふかだ」

「ふっふっふ〜、どうじゃ小僧、凄いじゃろ?」


アレから十分程、互いにイヤミを言い合ったが、同じタイミングでプイッと横を向いて終了した。

実は君ら、仲良しじゃないかな?

そんな事はさて置いて、ドワーフさんの髭を触らせてもらいましたよ。


いやすっげぇ〜柔らかい。

見た目はゴワゴワしてそうな髭が、実は柔らかいとか、アレだ、長毛種の犬とか猫が、毛の塊っぽくなっていながら触ってみるとサラサラの毛触りと言う不思議な感覚。


「なんじゃ、もういいのか?」


満足したので手を離したら、ドワーフさんに首を傾げられてしまった、何故に?


「うんありがとう、満足したので…えっと、ドワーフさん?」


お礼を言おうと思ったら名前を知らなかった…そういや聞いてなかったよ。

何故か横にいたエルフが笑っているが…。


「おう、そう言やワシの名前を言っておらんかったな。ワシはガルゴース、この浮遊大陸一番の鍛冶職人のガルゴースじゃ、宜しくの」


そう言って右手を出してきたので握手をしたが、ホント、この手の大きさたけなら成人男性以上の大きさたよ。

あと、やけに傷だらけの手をしてた。

多分アレだ、鍛冶職人って言うから物造り中の傷ってやつたな、きっと。


改めてドワーフのガルゴースを見ると、上半身は絹か何かのシャツを着ている。

ズボンは厚手の生地っぽい?所々に焦げ跡がある事から、武器か防具職人って所かと予想。


それと、年季の入った前掛けをしているが、それがまた堂々としている。

うん、物語に出てくる職人気質のドワーフの典型だ、


その逆の存在が、隣に立っているエルフだ。

ドワーフ…いや、ガルゴースだったか?彼より背が高く、横幅は細い為、余計に目立つ。


ガルゴースがユウキと同じくらいの背丈のせいか、エルフの方を見る際は見上げてしまう。


『これは…首が痛くなるな』


そんな事を考えていると、エルフの男性がユウキを見て『ニヤリ』と笑う。


『?』


何も話をしていない人物が自分を見て笑う姿に、何とも言えない気持ちになる。

こう…モヤモヤするって感覚?


改めて見るとイケメンだ、イケメンエルフだ。

ガルゴースと同じ服を着ているが、不思議な事に、ワイシャツ着ているサラリーマンに見えてくる。


いや、白いシャツだからだろうケド、全然デザインも違うのに、どうしてだろう?

やっぱイケメンだからか?おのれぇイケメン!!(八つ当たり気味)


ユウキが心の中で歯ぎしりしていると、いきなりイケメンエルフが跪いた。

予想外の行動に固まるユウキ。


「このような所にお出でになられるとは思ってもみませんでした、我らがあるじよ」


はぁ?このエルフ、何か言い出したよコンチクショー!!

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