117話
牛頭ただひさと馬頭よしひこは、ゲーム『キング·オブ·キングオンライン』の運営会社の社員だ。
牛頭たたひさ、本名『牛飼忠久』はプログラマー、馬頭よしひこ、本名『馬場吉彦』はゲームデザイナーだ。
この二人は高校からの友人であり、大学卒業後、とあるゲーム会社に就職。
このキング·オブ·キングオンラインのプロジェクトに参加した…と、ゲーム雑誌に書いてあったハズ?
うろ覚えだが、他にも細かい事が書いてあったと思う。
ただこの二人、キング·オブ·キングオンラインに並々ならぬ思いがあったらしく、ゲーム完成後ゲームマスターとしてアチラコチラに姿を見せていた。
そんな二人が、この異世界…キングオブ·キングオンラインの世界側だが、そちらの住人に、色々な技術を提供した存在として認知されていた。
しかも、初期に現れた異邦人として…だ。
彼ら二人は、たった半年程で様々なアイデアを伝えた。
その中には、今食べている食事も含まれているんだとか。
そうか、この二人のせいだったかコンチクショーめ、俺の『異世界すげぇライフ』を返せ。
などと文句を言っても後の始末、仕方がないので諦めた。
ちなみに、他にどんな技術が伝えられたのか聞いてみたら、それはもうびっくり。
食事系は米から麦まで、生産方法から調理方法まで多種多様。
船舶関係だと、『竜骨』導入による外洋船が該当する。
いや、まさか竜骨が無いとは思ってもみなかった。
ゲームの世界では、竜骨による船体強化よりも魔法による強化が主流だったらしい…すげぇな魔法文明。
その他にも、火薬や銃も導入されていた…いや運営、何やってんの?
火薬は『黒色火薬』と『無煙火薬』…なんでだよ?!
百歩譲って黒色火薬は分かる…いや、分かっちゃいけない気がするけと、でも、無煙火薬はダメでしょ?化学反応とかはどうやってんだよ?…って聞いたら
「魔法で簡単に作れますけど?」
っと返された。
ガッデム魔法!!何でもあり過ぎだよ?!
ニトログリセリンによく似た成分の鉱石があるらしく、それを魔法で精製するとニトロセルロースにする事が出来るんだとか…いやだから何でもあり過ぎ魔法世界!!
しかも、この火薬を使った銃も出来ていたよ。
猟銃が主流らしい。
そう言えば、ゲーム内で武器として銃が出て来てないような?
「銃?あんなの使うのは一般人ぐらいだぜ。弱い魔物を狩るぐらいにしか使えないからな」
エルザにしてみれば、威力が弱過ぎるらしい。
うん、まぁそうだろうね、君からしてみれば…。
ちなみに、猟銃として一般人には、そこそこ広がっているらしい。
しかもフリントロック式…なんでだよ?!




