104話
そんなリングリング族の隠し職業を二つ発見し、思わず追加でNPC作製を速攻で決意し、両方手に入れたユウキだったが、これが『北斗の七将が八人になった元凶の一つ』とも言える。
『いやちゃうねん、元々やりたかったネタやねん、本当やっちゅ〜ねん』
っと、当時のユウキは、数少ないフレに言い訳していたのは別の話。
そうして出来た二人のリングリング族は、『双子の闇魔導士』と勝手に脳内命名していたのだが、何故かリリーナ達にはその事が伝わっている事になっていた。
「いつの間に?!」
「マスターご自身が教えて下さいましたよ?」
「…」
おのれ世界の矯正力!!俺の脳内設定まで触回るとは…。
兎に角、自身の魔力に関する事は、早めに双子を連れ戻してからの話になる…っと言われたのだった。
「ではマスター、二人に…いえ、残り全ての七将に帰還の指示をお願いします」
「…はい?」
目の前のリリーナが妙な事を言いだしたよ…あ、さっきから全部そうじゃねぇかよ。
「指示って、こう…伝令を出したりするもんじゃないのか?」
「?何時ものように、ご指示を直接飛ばしていただければ良いのですが?」
何だよ何時ものって?君らへの指示?アレか?マッブをクリックして『誰々、ココへ行け』ってやってたヤツ?それの事?でもあれゲーム内の話じゃ…。
「もしかして、直接指示を飛ばせるのはNPC…君ら七将だけ?」
「はい、私達とマスターは、特別な繋がりがありますので。一般人がどうかは分かりません」
つまりコレは、玉座の間に行って指示を出せと言う事ですね。
そう判断したユウキが、ベッドから降りようと腰を浮かせると、何故かリリーナに止められた…いや、何でやねん?
「まだ動いてはいけません。安静にしておかないと」
「いや、指示出せと言ったのはリリーナだろ?だったら」
「ここからご指示をお出し下さい」
何か無茶振り来たよコンチクショーめ!!今の俺だと、玉座に触れないと出来ないんだよ…多分?
っと、出来るだけ穏便に話たが無理だった。
もう数日は、ベッドの中で安静にしてろだと…正気か?急ぎじゃないのって聞いたら
「急ぎは急ぎですが、マスターのお体が優先です」
っと、真顔で言われた。
…ズルいぞ、妻似の顔でそんな事言われたら、頷くしかないじゃないか。
結局、リリーナと空気になってたエルザも交えて話し合い、もう一日だけ安静に寝てるって事で話が決まった。
「本当に良いのかねぇ〜。今の状況って悪いんだろ?」
「いいじゃねぇか。アイツが寝てろって言ってんだからよ」
エルザの発言が男前過。




