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103話


リングリング族は、基本狩人系へと育てるのが良いと公式発表されている。

だが、このキャラの真骨頂は、実は『魔法使い系』だと思っている。


その理由として能力値の成長率が関わってくる。


リングリング族を狩人系で育てると、どうしても力の値が低く、ダメージが出難い傾向にある。

その分を手数で補うキャラとなる。


実は、単体ダメージだけを見ると、狩人系にするなら獣人、次点でエルフの方が良かったりする。

エルフの場合、素早さも高く、更にそこそこ魔法まで使えるオールラウンダーなキャラに育つ為、プレイヤーキャラとして選択するならエルフ弓は有りだ。


そこで問題になるのは、リングリング族は『NPC専用キャラ』と言う事だ。

プレイヤーであれば、ある程度プレイヤースキルでカバー出来るのだが、NPCとなると大雑把な指示しか出来ない為、使い辛いのだ。


そんなリングリング族を二人、NPCとして使っているのがユウキだ。

しかも魔法主体の職として。

その裏仕様に気付いたのは、本当に偶然だった。


当時、リングリング族のキャラを一体作ってレベル上げをしていた時、何の気の迷いか『魔法使い』を選択していた。

意外と使い勝手の良い育ち方をしていた。


当然ながら、魔法職は打撃に弱い。

初期状態だと、サコ敵であるゴブリンの一撃で簡単に沈む事もある程だ。

しかしリングリング族の場合は違う。

リングリング族は、回避特化のキャラだ。


魔法使いを職業として選択する為、成長率としては魔力の方が上がり易くなるが、素早さも種族特性によりそこそこ上がる。

その際、魔力よりもほんの少し素早さを上げるだけで、隠し職業選択画面へと行く事が出来た、しかも二種類。


一つ目は『魔導暗殺者』、闇魔法オンリーの近接専門魔法使いと言う、なかなか玄人好みのキャラになる。

そして二つ目は『暗黒魔道士』、魔道暗殺者と同じ闇魔法オンリーだが、こちらは遠距離専門になる。


どちらにも言える事だが、両者共『回避特化型』の職となる。

魔導暗殺者など、近距離で避ける避ける。

見ているプレイヤーもビックリの回避力だ。


それに、リングリング族は種族特性として、『幸運』と『短剣技』を持っている。

幸運は、隠しパラメータの『運』の値の上位版に当たる代物で、回避率上昇の元となる。

短剣技はその名の通り、どんな職業であっても短剣が使え、技も覚えていく代物だ。


この二つのお陰で、リングリング族の魔法使いは、近接戦では回避からの連続攻撃を繰り出し、遠距離戦では闇魔法による攻撃と、敵の接近戦に対する回避での戦闘継続力の強さで、かなり厄介なキャラと化す。

惜しむらくは、プレイヤーキャラに出来ない事だけだが…。

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