【コント】宇宙人
宇宙人2人登場。
Aは顔面を銀色に塗り、ピチピチの銀色の衣裳を着ている。Bの格好は自由。
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ボケ宇宙人(以下『A』)「ギュウーン」
ツッコミ宇宙人(以下『B』)「ぎゅーん、ぎゅーん」
A「ギュン、ギュン、ギュウーン」
B「ぎゅぎゅぎゅぎゅ、ぎゅうーん」
A「(喉をチョップで揺らしながら)我々ハ宇宙人ダ」
B「お前と一緒にするなや!」
A「ナッ!? オ前モ宇宙人ダロウ」
B「そうやけどな。でもお前みたいな銀ピカでキモい宇宙人とちゃうわ!」
A「ナンダ貴様、ソノ喋リ方ハ」
B「関西弁やないか。どこがおかしいねん。これおかしい言うたら全国の関西人さんに失礼や! お前こそ何やねん、そのカクカクした気持ち悪い喋り方。宇宙人みたいやないかい」
A「スミマセン」
B「謝るんかいな!」
A「トコロデ貴様、何処ノ星カラ来タ?」
B「人に聞く前に自分から名乗るのが礼儀ってもんやろ? まずお前の星から言わんかい」
A「ヤメテ、脅スノ、怖イ」
B「脅してへんやろが! 関西弁言うたらこんなもんや。怖い言うたら全国の関西弁ネイティブの方に失礼やろが! で、お前、どこのもんや」
A「中学校ノコトカ?」
B「誰が出身中学の名前聞いてんねや! 星やがな、星!」
A「俺ハM87α星系第三惑星『漆黒』カラヤッテ来タ」
B「つまり君は何星人?」
A「漆黒星人」
B「汚いな! 空気の代わりにアンモニア臭漂ってそうな星の名前やな!」
A「ムッ。馬鹿ニスルナ。我々ノ住ム漆黒星雲コード2301ハ……」
B「ウンまでついた! はい、これ電波に乗せちゃアカンやつー!」
A「クッ……! 貴様ハ? 貴様ハ何星人ナンダ?」
B「大阪や」
A「大阪ナドトイウ星ガアルノカ?」
B「わし、ツッコミやからな。ボケの君と違って真面目なこと言わなアカンねん。せやから本当のこと言うただけや」
A「ナンダト!?」
B「おっ? なんや何にびっくりしたんや」
A「俺ガ……ボケナノカ!?」
B「そらそうやがな! どう見たってお前のほうがボケやろ! ボケナスを銀色に塗ったみたいな顔しとるくせに」
A「嫌ダ!」
B「嫌や言うたかてな……」
A「ボケ役ハ格好悪イ!」
B「はい! それ全国のボケ役の皆さんに失礼!」
A「マァ、イイ」
B「ええんかいな!」
A「貴様ニ、我々漆黒星人ト共に地球ヲ侵略スル気サエアルナラ、ソレデイイノダ」
B「あー、そういうことかいな」
A「アルノカ?」
B「もちろんや。へへっ、地球なんて征服するんは簡単や。何しろあいつら宇宙に向かってメッセージ送って『ボク達はあなた方の友達です。どうか地球へやって来てください』とかメッセージ送っとる平和ボケ種族やからな」
A「友達……イイナ」
B「お前こそ侵略する気あるんかいな?!」
A「友達……欲シイナ……(;_;)」
B「泣くなっ! 泣くなっ! お前に友達が1人もおれへんのはわかったから」
A「マァ、イイ」
B「お前そればっかりやな!」
A「ソレデハ早速侵略ニ行クゾ」
B「へっへっへ。ええな、行こか。男はみんな奴隷に、女は選りすぐって、わしの気持ちいい奴隷にしたる」
A「最低ダナ」
B「えっ!? 侵略するってのはつまり、そういうことなんやないの!?」
A「貴様ハ最低ダ」
B「早速仲間割れすんのやめようや。どういうこと? さっきの発言の何がアカンの!?」
A「腐ッタ蜜柑ニ湧イタ蛆虫ダ」
B「そこまで言うなや!」
A「セクハラ」
B「セクハラて……! 侵略行為にセクハラて……! なんかおかしくない!?」
A「ソノ顔デ、セクハラ」
B「顔は関係ないやん! ええやん、侵略の時ぐらい男の本能丸出しにしたって……!」
A「笑ッテシマウゾ。ハ……ハ……ハ……」
B「それ笑ってんの!? 全然表情動いてないんやけど!? もしかしたら顔面銀色に塗ってるから動かせないの!?」
A「マァ、イイ」
B「もうそれ飽きた!」
A「地球ヲ侵略シ、女ハ皆奴隷ニ、男ハ皆、俺ノ気持チイイ奴隷ニシテヤル」
B「さっきの俺、お前の性的嗜好に反してただけかいな!」
A「俺ハ、男ダ」
B「わかってるがな!」
A「貴様モ、男ダ」
B「そうや……そうやで? でも、ここまでの流れで言われると、なんか気持ち悪いな」
A「(喉をチョップで揺らしながら)我々ハ、宇宙人ダ」
B「そっ、そうやな。そうやで。わしも宇宙人や」
A「仲良クシヨウ」
B「えっ!? どういう意味で!? 侵略仲間として!? それとも!?」
A「俺、ヤッパリ、友好的ニ行ク」
B「遊興的の間違いちゃうやろな? 夜の遊び!」
A「(客席に向かって)地球ノ諸君、仲良クシヨウ」
B「侵略すんのやめるんかいな!」
A「特ニ男性諸君ト仲良クシタイ」
B「やっぱりそっちかいな!」
A「宇宙ハ寂シイノダ」
B「この寂しがり屋さん!」
A「友達、欲シイ!」
B「結局それかいな! えーかげんにせいっ!」
A「ギュウーン……ギュン、ギュン(寂しそうに去って行く)」
B「なんや知らんけど君達、救われたみたいやで。ほな、ありがとうございました!」