小説家(自称)
いつもどおりに学校へ行く
いつまでたってもあの二人のアピールはやまない。
学校につく。
やはり噂は広まっており、同情などの視線がアチラコチラから飛んでくる。
耳をすませば...
『柳クン可哀想』
『黒瀬さんて尻軽だったんだ...』
『ていうかいったい誰が寝取ったんだろう?』
等々の言葉がある。
光輝はやはり自分のことは話に出さずに噂を流したらしい。
紬の心象が悪くなるのを考えてない、ただのバカか、はたまたわかってやっているのか。
...まぁどうでもいいか。
いつもどおりに下駄箱を開ける。
はらりとなにかが俺の下駄箱から落ちていく。
何かと思い拾う、手紙だ。
さすがにここで開けるのはまずいから教室に持ち帰って隠れて読もう。
手紙の内容は
『あなたに興味があります、放課後屋上に来てください』
ふむ、俗に言うラブレターという奴か?
もしかした誰かがおもしろ半分にやってるだけかもな。
だって...
うちの屋上、立入禁止で堅く施錠されているんだもの。
そうして俺は放課後、家に直帰した。
そして俺はまた、いつもどうりに学校へゆく。
しかし、今日はいつもどうりではなかった。
「柳さん!なんで昨日は屋上に来てくれなかったんですか!?」
誰かが俺の名前を呼ぶ。
「誰だ?」
「昨日手紙を出したものです!」
振り向くと世間的に見れば美少女であろう女性がいた。
手紙と屋上とくるとさすがにピンとくる。
「ああ、すまなかったな。屋上は施錠されてるからあの手紙は思考放棄していた。」
「ええ!?ひどいです!!!」
「屋上が閉まってんの知ってんだからイタズラかと思うだろ」
「うう...確かに屋上はしまってました...でもでも!それでも来てみようとは思いませんか!!!?」
「思わん」
「そっそんな、即答しないでくださいよ...」
「...それで、用件はなんだ?」
「ハッ、そっそうでした!実は私!小説家にな◯うというサイトに小説を投稿している小説家なんですが!ぜひ!あなたの寝取られたという話を取材したいと思い、あの手紙を出しました!!」
「知らん、小説なら自分で考えろ自称小説家」
「じっ自称小説家って...ひどいです...私にはちゃんと加藤 栞という名前が...」
「用件がそれだけなら俺はもう行くぞ」
「アッ待ってくださ〜い!」
さっきからずっと自称小説家はつきまとってくる。
「誰に寝取られたんですか?」
「いったいどんな経緯で寝取られたとわかったんですか?」
「こたえてくださいよう〜」
...うるせぇ
「よう!創英!どうしたんだ?女連れて」
光輝が話しかけてきた。
「連れてない、付きまとわれてるだけだ。」
「おい、自称小説家、いい加減どっかいけ」
「ムキー!自称じゃないですぅ!!栞ですぅ!!!絶対に聞き出してやりますからね!首を洗って待っててください!」
そういって自称小説家こと加藤 栞は去っていった。
「よう、新しい女か?なかなかいい女じゃん、いいぜ?また寝取ってヤルよ?」
と小声で言ってきた。
「はぁ、あいつは知り合い以下だから旨味はないぞ、そもそもお前には紬がいるだろ。」
「はっ...紬ちゃんとは遊びに決まってんだろ?」
そういって去っていった。
クズっぷりが際立つな、まっ俺にはもう関係ない、不幸になるなら勝手にどうぞ。
俺は巻き込まないでくれよな。
(...と渦中の人物が申し上げております)
読んでくれてありがとです。