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第二百六十八話 高橋悠里はすずがウェインに会いたがっている理由を知り、真子と連絡先を交換する

要は悠里の言葉を待っている。

悠里にできるのは、自分が知っていることを正直に要に伝えることだけだと思いながら口を開いた。


「えっと、ウェインは私のフレンドで、ウェインのキャラグラフィックがものすごく要先輩に似てるんです。もちろん、要先輩の方が100倍かっこいいですよ!!」


ウェインよりも要の方が100倍かっこいいことは絶対に伝えたいし、知っていてほしい。


「悠里ちゃんに100倍かっこいいって言ってもらえて嬉しいよ。ありがとう」


悠里と要の会話を聞きながら、真子はテーブルに置いてある消毒液で手指を消毒した。

そして買ってきた『フローラ・バナナマフィン』の包装を取り払ってマフィンにかぶりつく。

要にお礼を言われてはにかむ悠里を見つめて、すずが口を開いた。


「悠里はリアルでもウェインと知り合いなんでしょ? なんか親しそうな空気を感じる」


すずに問いかけられて悠里は言葉に詰まる。

要はすずに視線を向けて口を開いた。


「一ノ瀬さん。プレイヤーのリアル情報の漏洩は、やってはいけないことです。運営への通報案件ですよ」


「そうだよ。すず。ゲームとリアルは分けて考えないとダメだよ」


要に続いて、マフィンを飲み込んだ真子もすずを諫める。

でも、どうしてすずはこんなにウェインに会いたがっているのだろう。

悠里はふと疑問に思って、すずを見つめて口を開いた。


「すずさん。あの、聞いてもいいですか? なんですずさんはリアルでウェインに会いたいの?」


ウェインに会いたいのなら、リアルではなくゲーム内で連絡を取って会えばいい。

すずはウェインを自分のフレンドだと言っていたから、ゲーム内でなら、メッセージのやり取りができるはずだ。

すずは悠里を見つめて口を開いた。


「だって、ウェインがメッセージをくれたんだよ。リアルで偶然会えたら、その時はデートしようって」


すずの言葉を聞いた悠里は愕然とした。

圭くん!! なんで思わせぶりなメッセージを送ったの……っ!?

圭くんを呼び出して、すずさんに謝罪させる案件じゃないの。これ……。


「それ、たぶん断りの文句ですよね。普通に考えて」


冷静に言う要に、悠里は目を剥いた。

デートに誘っておきながら、断りの文句とはどういうこと!?

要の言葉を聞いた悠里は混乱した。

要はさらに言葉を続ける。


「ウェインさんは、あなたにゲーム内でしつこく誘われるのが嫌だから、有り得ない約束をしてかわしたんじゃないですか?」


要の言葉を聞いた悠里は自分がフラれたような気がして心が重くなる。

真子は心配そうに黙り込むすずを見つめた。


「……あたし帰る」


すずはそう言うと席を立ち、鞄を持って店を出て行ってしまった。

真子はすずを追いかけるか店内に留まるか迷った末に、店内に留まることを選んだ。


「真子さん。すずさんを一人にして大丈夫でしょうか……?」


悠里はすずを心配して問いかける。


「大丈夫じゃないかもだけど、でも子どもじゃないからちゃんと家には帰ると思う。あとでメッセージ送ってみるよ」


「お願いします」


「あっ。そうだ。よかったら悠里ちゃんと連絡先交換したいんだけど、いい? リアルでも連絡が取れた方がいいかなと思うんだけど。主にウェイン関連で。すずが迷惑をかけるかもだし……」


ウェイン関連。幼なじみの圭が元凶のトラブルなら、悠里は逃げられない。

圭には小さい頃からゲームを貸してもらい続けた恩があるし、なにより、圭は大好きな晴菜の兄だ。


「そうですね。私も真子さんと連絡を取り合えるのは心強いです」


悠里はそう言いながら、鞄からスマホを取り出した。

真子は制服のポケットからスマホを取り出して、悠里と連絡先を交換する。

要は、要のことを名字で呼び、悠里の意見をきちんと確認する真子ならある程度は信頼できそうだと思いながら真子と連絡先を交換する悠里を見守った。



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