表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
266/738

第二百六十五話 高橋悠里はリアルでイヴとアーシャに会い、みんなでフローラ・カフェ星ヶ浦駅前店に向かう

悠里と要は雑談をしながら星ヶ浦駅前に到着した。

夕方の駅前はコロナ禍とはいえ賑わっている。でも、人込みに圧倒されるというほどではない。

リモートワークで仕事をしている社会人や、リモート授業を受けている大学生が多いのかもしれないし、ステイホームを頑張っている人たちが一定数いるのだろうと悠里は思う。


悠里と要が星ヶ浦駅に隣接する駅ビルに入ろうとしたその時、軽やかな足音が背後から近づいてきた。


「待って!!」


少女の声がして、悠里は足を止めた。

悠里が立ち止まったことに気づいて要も足を止める。

背後から近づいてきた少女は悠里と要の前に回り込み、まっすぐに要を見つめた。


「すごい。リアルでも会えた」


少女は要に視線を向けたまま、嬉しそうに言った。

長身でスレンダー体系の美少女で、桜台女子学院の制服がよく似合っている。

桜台女子学院は中等部と高等部がある女子高で、校舎は星ヶ浦駅の三つ隣の桜台駅のすぐ近くにある。

悠里の幼なじみの圭が、一時期付き合っていたカノジョが桜台女子学院の生徒だったので悠里は桜台女子学院の制服を知っていた。


「あたしのこと、わかる?」


ぐいぐい要に話しかける少女を見ながら、悠里は彼女にどこかで会ったことがあるような気がしていた。


「全然わかりません」


悠里と手を繋いだまま、平坦な声で要が言う。


「えー? あたしも君と同じで、リアルに似た主人公を選んだからわかると思うんだけど。でも、約束は覚えてるでしょ?」


「今、初めて会ったあなたと約束なんかしない」


要が丁寧な言葉遣いを投げ捨てて少女に言う。苛立っているようだ。

だが少女は動じず、口を開いた。


「フレンド機能のメッセージボックスにメッセージが残ってるんだから、嘘吐いたらダメだよ」


「ちょっ!! すず!! なに、知らない人に絡んでるの……っ!?」


既視感のあるやり取り。小柄で三つ編みをしている少女が長身の少女に駆け寄ってくる。

彼女も桜台女子学院の制服を着ていた。

もう、これは……確定だよね……?

悠里はゲーム内フレンド(推定)に自分のリアル情報をバラすリスクを背負う覚悟を決めて小さく手を上げ、口を開いた。


「あのぉ。イヴさん。ちょっといいですか……?」


スレンダー美少女は、今初めて悠里に気づいたという顔をして悠里に視線を向けた。


「なんであたしのゲームの主人公の名前、知ってるの? ウェインから聞いたの?」


圭くんが元凶か!!

悠里は心の中でモテるけれど女の子と付き合っても短期間でフラれる幼なじみの彼に向かって怨嗟の言葉を叫びながら、表向きは平静を装って口を開いた。


「私、イヴさんのフレンドなので……。あと、要先輩はウェインじゃないです」


「えっ!? 嘘!? だってこんなにそっくりなのに……っ!!」


悠里の言葉を聞いた『イヴ』は目を丸くした。

ですよね……。そう思いますよね……。

悠里も初めてウェインに会った時は要と会ったような気がしてキュンとした。

リアルの要の方がゲームのウェインよりずっと素敵なのだけれど……。

『イヴ』と悠里のやり取りを聞いていた『アーシャ』は口を開く。


「話が全然見えないんですけど、とりあえずここから移動しませんか?」


『アーシャ』の提案に要が肯き、口を開いた。


「ゆっくり話ができるところに行きましょう。フローラ・カフェでいいですか?」


要の問いかけにその場にいる全員が肯く。

そして悠里たちは駅ビルの一階にあるフローラ・カフェ星ヶ浦駅前店に向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ