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第二百五十三話 マリー・エドワーズはワンピースドレス等一式を贈られ、真珠、ノーマと共に食堂を出る

マリーは隣に座っているノーマに抱っこしているテイムモンスターの真珠を見せて口を開く。


「ノーマさん。この可愛くてかっこよくて賢くて、白い毛並みと青い目が素敵な男の子が私のテイムモンスターの真珠ですっ」


「わんわぅわうっ。わんわんっ」


ノーマはマリーによる圧が強い真珠の紹介に押されながら、引き気味に微笑む。


「シンジュくん。私はノーマ・グリックよ。グリック村に住んでいるの。今日は『銀のうさぎ亭』に泊まる予定だからよろしくね」


「ノーマさんはうちのお客さんなんだよ。だから一緒に『銀のうさぎ亭』に帰ろうね」


「わんわんっ」


ユリエルはマリーがノーマに真珠を紹介し終えたタイミングで口を開く。


「マリーちゃん。俺たち、そろそろ時間がまずい感じだから、マリーちゃんはもう家に帰った方がいいと思う」


「そうですね。そうですよね……っ」


ユリエルの言葉にマリーは何度も首を縦に振る。絶対に、時間がヤバい。

睡眠時間が削られている予感をひしひしと感じる……っ。

ユリエルは侍女長に視線を向けて口を開いた。


「侍女長。マリーちゃんたちのために馬車を用意してほしい」


「あっ。でも、ワンピースドレスを返さなくちゃ……っ」


侍女長に命じたユリエルの言葉をマリーが遮る。

濃い青色のワンピースドレスと白いレースの靴下、白いパンプスはレーン卿の母であるレイチェルに借りたものだ。

レーン卿がマリーに視線を向けて口を開いた。


「マリーさん。そのワンピースドレスと靴下、靴は僕と母からの贈り物にさせてください。今回は怖い思いをさせてしまったので、そのお詫びも兼ねて」


「怖い思い? フレデリックお兄様。それはどういうことですか?」


ユリエルがレーン卿に問いかける。

マリーは自分が不審者のように思われて護衛騎士に取り押さえられたことをユリエルに知られたくなかったので、強引に話の流れを変えることにした。


「レーン卿。お言葉に甘えますっ。ありがとうございますっ。ユリエル様。私たち、領主館の前で馬車を待ちますねっ。ノーマさん、真珠、行こうっ」


マリーに促され、ノーマはテーブルに置いていた自分の分のお菓子の詰め合わせを手に持った。

マリーはテーブルに置いたお菓子の詰め合わせを左腕の腕輪に触れさせて収納する。

真珠を抱っこしているので、お菓子の詰め合わせを持てないのだ。

ノーマは突然マリーのお菓子の詰め合わせがテーブルから消えて驚いたが、その場にいる誰も騒ぎ立てていないのに自分だけ声を上げるわけにはいかないと思い、唇をかみしめてこらえる。


「私は御者に馬車の用意をするように命じてきます」


侍女長はユリエルとレーン卿に一礼して食堂を出て行く。

侍女長と入れ替わるようにユリエルの分のお茶を用意したナナが戻ってきた。


「ナナ。俺のお茶の用意はいいから、マリーちゃんたちを領主館前に案内して」


ユリエルに命じられたナナは一礼して、ティーカップとティーポットを乗せた銀のトレイをテーブルの上に置いた。そしてナナはマリーたちの元へ向かう。


「マリーちゃん。真珠くん。そちらのお嬢さんも、気をつけて帰ってね」


ユリエルは微笑んで言う。

マリーと真珠、ノーマはユリエルとレーン卿に一礼してナナの後に続いて食堂を出た。



若葉月26日 朝(2時36分)=5月10日 0:36


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