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第百九十三話 マリー・エドワーズはクレムの失言に驚き、ユリエルもワールドクエスト『鑑定モノクル狂想曲』を受注していることを知る

情報屋は手帳に記載した情報を整理しながら、マリーに、彼女が領主に訴えた内容を細かく確認する。

納得いくまで情報を確認した後、情報屋はマリーへの対価を決定した。


「大変興味深い内容でしたので、金貨10枚を対価として支払います。ウォーレン商会の詐欺行為が立証できれば、今、進行している『鑑定モノクル狂想曲』のクエスト内容やクエスト達成条件が変更されるかもしれない」


「金貨10枚、ありがとうございます……っ」


マリーは情報屋から金貨10枚を受け取りながら、絶対にウォーレン商会の詐欺行為を暴くんだと心に誓い、そして金貨10枚をアイテムボックスに収納した。

クレムはアイテムボックスに金貨をしまうマリーを見ながら口を開く。


「でも『鑑定モノクル狂想曲』はもうすぐ達成されると思うぜ。今、錬金術師ギルドマスターの暗殺計画が進行してるし」


「えっ!?」


「暗殺……っ!?」


「わうっ!?」


マリーとユリエル、真珠がクレムの言葉に目を丸くする。

クレムは頭を掻きながら情報屋に視線を向けて口を開いた。


「情報屋。これって言っちゃダメなやつだった?」


「ダメなやつですね。今、クレムくんのプレイヤー善行値は下がったのではないでしょうか?」


「うっわ。マジか。……数値の確認、したくないなぁ」


「暗殺ってどういうことですか?」


ワールドクエスト『鑑定モノクル狂想曲』を知らないユリエルが情報屋に問いかける。


「ユリエルさんもクエストの受注条件を満たしているはずですから、ステータス画面の『クエスト確認』から確認してみてください」


情報屋がユリエルに言う。マリーとクレムは情報屋がユリエルに情報の対価を要求するのではないかと身構えたが、情報屋がユリエルに情報の対価を要求することはなかった。


「わかりました。ステータス」


ユリエルはステータス画面を表示させて『クエスト確認』をタップした。

マリーは何もない空間をじっと見つめているユリエルも綺麗だと思いながら、真珠の身体を撫でた。

真珠はマリーに撫でられながら、おとなしくユリエルを見守る。

うっかり錬金術師ギルドマスターの暗殺計画が進行していることを口走ってしまったクレムは自分の失態に頭を抱えている。

ワールドクエスト『鑑定モノクル狂想曲』の内容を確認し終えたユリエルはステータス画面を消して口を開いた。


「ただ、その場所にいることがクエスト受注の条件になることがあるんですね」


「ええ。そうですね。クエスト名やクエスト内容、クエスト達成条件が適宜変化することを考えると、このゲームは本当に自由度が高いと思います」


ユリエルの言葉を聞いた情報屋が言う。


「真珠くん。俺、初クエストを受けていたみたいだ」


「わぅわう。わんわんっ」


真珠は嬉しそうに言うユリエルに、よかったねと思いながら尻尾を振った。


マリー・エドワーズが情報を売って受け取った対価(第百八十九話・第百九十話・第百九十一話分から加算) 金貨23枚/銀貨9枚/銅貨4枚



若葉月22日 早朝(1時46分)=5月8日 16:46

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