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第百八十一話 マリー・エドワーズの祈りが通じ、ユリエル・クラーツ・アヴィラが目覚める

マリーの必死の祈りが天に通じたのか、凝視していたユリエルの左手の手首に『不滅の腕輪』が現れた!!

苦しそうだったユリエルの呼吸が安定し、穏やかな表情になったことを確認したマリーは笑顔で口を開いた。


「もう大丈夫です。ユリエル様の離魂病は治りました」


ユリエルを主人公キャラに選んでくれたプレイヤーに感謝の祈りを捧げながら、マリーは大きく肯く。

マリーの言葉に驚いた領主は目を見開き、レーン卿は鑑定でユリエルの状態を確認する。


「……驚いた。ユリエルの状態は『正常』です。離魂病は快復しました」


レーン卿の言葉を聞いた一同は、歓声をあげた。

マリーは真珠と一緒に喜んだ後、寝巻のまま教会に死に戻る決意を固める。

マリーを可愛い格好にすることよりも、要をひとりぼっちで待たせないことを優先するべきだ。


「あのっ。私、もう行きますね。教会ですごく、すごーく大事な人と待ち合わせをしているんです……っ!!」


マリーが拳を握りしめてレーン卿に訴えたその時、ユリエルが目を開けて身体を起こした。


「ユリエル……!!」


領主は涙声で彼の息子の名を呼ぶ。だが、ユリエルが見ていたのは父親ではなくマリーだった。


「マリーさん。少し時間をください。話を聞かせてほしいのです」


「無理ですっ。私は待ち合わせをしてるんですっ。教会に行かなくちゃいけないんです……っ」


レーン卿と押し問答をしているマリーを見つめて、ユリエルが口を開いた。


「マリーちゃん……?」


知らない声に名前を呼ばれて、反射的にマリーは声の主に視線を向ける。

ユリエルの濃い青色の目を見たマリーの鼓動が、どくんと鳴った。

ユリエルはマリーを見つめて口を開く。


「5歳で未だに種族レベル1の、マリーちゃん?」


「えっ? なんで知ってるの……?」


ユリエルの言葉にマリーは目を丸くした。

領主、レーン卿、侍女長とナナがマリーとユリエルの会話に注目している中、ユリエルは微笑んだ。


「教会で待ち合わせしてたけど、ここで会えたね」


ユリエルの言葉に驚きすぎて、マリーはその場にへたり込む。


「ユリエル。お前はマリーを知っているのか? 会ったことがあったのか……?」


呆然と問いかける領主に、ユリエルは肯く。


「ユリエル様は快癒したばかり。安静が必要です。領主様以外は退出しましょう」


「待ってください!!」


侍女長に促されたマリーは足に力を入れて立ち上がり、ベッドで起き上がっているユリエルに自分の左腕を差し出す。


「フレンド登録させてくださいっ。腕輪を触れさせると登録できるので……っ」


ロールプレイとか言っている場合じゃない。

必死な顔で言うマリーにユリエルは父親の手を優しく解いて、自分の腕輪とマリーの腕輪を触れさせる。

マリーの目の前に画面が現れた。



プレイヤーNO2985490ユリエル・クラーツ・ アヴィラとフレンド登録しますか?




         はい/いいえ



マリーは『はい』をタップした。画面が切り替わる。



両者の合意が得られたのでフレンド登録されました。

詳細はステータス画面の『フレンド機能』でご確認ください。



ユリエルとフレンド登録を終えたマリーはほっとして息を吐く。

これで、離れても、転送の間にいてもユリエルと連絡を取り合うことができる。


「マリーさん。今、いったい何をしたのですか?」


「フレデリック様。とにかく一度、退出を」


侍女長に促され、ユリエルと領主以外の全員は部屋を出た。


若葉月21日 夜(5時28分)=5月8日 14:28

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― 新着の感想 ―
[一言] この後の言い訳考えるの大変ですねぇ...
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