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第百六十三話 マリー・エドワーズと真珠は『銀のうさぎ亭』に帰った後に、教会に死に戻る

マリーと真珠を乗せた馬車は領主館を出発して進み、港町アヴィラの中央通りを緩やかな速度で走る。

窓の外ではプレイヤーとNPCが珍しそうに馬車を眺めていた。

真珠は窓の外を見つめながら、耳をぴくぴくと動かし、尻尾を振っている。

左腕に腕輪をつけたプレイヤーが馬車に手を振ってくれたので、マリーは笑顔で手を振り返した。

なんだか、凱旋パレードをしている有名人のような気分が味わえて嬉しい。

マリーが手を振ったことで盛り上がったプレイヤーたちは道の端に整列をして、まるで遊園地のパレードを見るように歓声をあげ始めた。

マリーはプレイヤーたちに手を振り続け、真珠は勢いよく尻尾を振る。


馬車は『銀のうさぎ亭』の前で停車し、御者は御者席から下りて馬車の扉を開けた。

マリーは真珠を抱っこして御者に渡し、御者は真珠を丁寧に地面に下ろしてからマリーに手を差し伸べる。

マリーは気取って御者の手を取った。気分は貴族のご令嬢というところだ。

ゲームなのだから、どんな風に楽しんでもいいだろう。プレイヤーとNPCの迷惑にならないことなら自由にしてもいいとマリーは思う。


馬車を下りたマリーは真珠と共に御者にお礼を言って、馬車を見送る。

お嬢様気分は終わりだ。マリーは借金を背負う宿屋兼食堂の娘として気合を入れ、そして真珠と家に戻った。


宿屋のカウンターにいた父親の小言を聞き流しながら、マリーは速足で……『疾風のブーツ』のおかげで本当に速く動けた……段差の大きい階段を上る。

真珠は軽快なステップでマリーの後に続いた。

父親は仕事があるので、一階に留まっている。マリーと真珠は父親の小言攻撃から無事に逃れることができた。


ベッドがある部屋に真珠と逃げ込んだマリーは部屋の扉を閉めて息を吐く。


「真珠。私、クレムにこれから会えるかっていうメッセージを送って教会に死に戻ろうと思うんだけど、いい?」


「わんっ」


真珠は首を縦に振り、尻尾を振る。


「賛成してくれてありがとう。じゃあ、今からクレムにメッセージを送るね。ステータス」


マリーはステータス画面を出現させて、クレムに今から教会で会えないかというメッセージを送信した。


「金曜日の夜だから、たぶんクレムもログインしてると思うんだけど……。とりあえず『ライト』のレベル上げをしながら教会に死に戻るね」


「わんっ」


「魔力操作ON。ライトON」


『ライト』は光の玉を出現させるスキルなので、いつでもどこでも安全に使うことができて便利だ。

『アイスキューブ』等のスキルレベルも上げたいけれど、氷を入れる物がないと氷が無駄になってしまうし、氷を落としたままにすると部屋の床が濡れてしまう。

マリーは魔力が枯渇するまで『ライト』を使い続け、真珠と共に教会に死に戻った。



マリー・エドワーズの『ライト』のスキル経験値が上昇 レベル2(60/200)→レベル2(87/200)



若葉月19日 朝(2時18分)=5月7日 23:18


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