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元死神のお嫁さんと行く異世界、流れに任せて生きていく   作者: ぽむぽむ
第1章 異世界転移初日の長い1日?
6/25

元死神のお嫁さん!?

「この私を無視するとはいい度胸ね。それとも見とれているの?」


(──咲?)




いや違う、よく似てるが別人だ。

一瞬咲が来てくれたのかと錯覚しちまったじゃねえかよ!

くっそ悪質な…

つーか声までそっくりだな。

しかし、そんな風に見られるのは心外だ。

何せ相手は妹と同じ姿、これに見とれてはシスコンになってしまう。

ん?一応別人だし、セーフか?


「これも無視とは、屈辱だわ」

「おい待て俺は別に見とれてるなんて一言も言ってない。それに無視じゃない、混乱してたんだよ」

「言い訳は結構。みっともないわよ?」

「そりゃ悪かったな。んじゃあ説明してくれよ?」

「なにかしら?」

「惚けんな、何でこんなとこにいる?」


こんなピンポイントでここにいるのは怪しいと言っているようなものだ。

声をかけたことといい、なにかしら目的があっての行動だろう。

あ、やべ、意識失ってる間なんかされてたらどうしよう。


「あなたを殺しに来たのよ」

「………は?」


予想斜め上すぎる。

急に何を言い出すんだこいつは?

俺を殺しに来た?

なんで?

あれか?

種族名にはてなマークがついてるからか?

いったい誰がつけたか知らんがふざけろ散々じゃねえか。


「可哀想に…頭がおかしな子なのかな?」

「失礼ね」

「普通そう思う。失礼と思うなら何で俺を殺したいか答えてみろよ」

「あなたが生と死のバランスを崩しかねない異端者で、私はそれを阻止しなければならない立場にあるからよ」


ふむ。人として異端者なのはあってるな、はてなマークついてるし、翼も生えたし。

しかしそうか、分かった。


「つまりお前は頭がおかしな子なんだな?」

「あなた…本当に失礼ね。礼儀を知らないの?」

「礼儀は知っているとも、ただ払う必要のある相手がいないだけだ」

「節穴。ここにいるじゃない」

「?どこだ??」

「死ね、猿」

「口が悪いじゃないか礼儀知らず」


会話のキャッチボールがうまくいくと楽しいよね。

俺は今すごく楽しいよ。


「それは礼儀を払う必要のある人がいないからよ」


ドヤ顔で言うことじゃないと思うがな。


「ここにいるじゃないか」

「さあ?見えないわ」

「可哀想に…頭だけでなく目もおかしいんだな」

「……………」


おっと言い負かされたとこに気づいて悔しいようです。


「少し脱線したが、まずは自己紹介だな俺は──」

「天堂 蓮」


言い終わる前に言われた。

それはおかしい、この世界に俺の名前を知ってる奴は誰一人としていないはずだ。

ステータスを見た?

まあ、それなら厄介ですむが。

問題は()()()()()()()()()()()()


「……ステータスか、いつ覗いた?」

「あら?はじめて余裕がなくなったわね。おどろいた?」


実に嬉しそうだ。

ニヤニヤしやがって。

いや別に?

悔しくなんて無いんだけどね?


「俺は名前を言ってない、なのに言い当てられたら誰だって驚くだろ?」

「本当、口だけは達者ね」


質問の答えは言えないか?言わないか?

どちらにせよ、誤魔化しきれなかったお前の負けだ。

何らかの方法でこいつは俺の名前をあらかじめ知っていた。

ステータスを見たなら素直に言えばいいだけだしな。

名前を当てたんだ。今更そんなこと、隠す必要もないだろう。


(コッソリ見ておいた方がいいな)


「で?結局教えてくれないのか?それともなに?俺のこと好きなの?わざわざ調べたんだろう?」


見るのはいいが、実際隠すのが一番困難だ。

シーサーペントを倒し大きな変化が予想される中、全く無反応で見ろというのが今回の課題か。


「あらあら、よくそこまで思い上がれるわね」

「自信があるのは良いことだろう?」


(ステータスオープン)


俺はステータスを頭の中で見る。

凄いだろう?俺も偶然出来たときはびびったよ。

ほんとこの世界便利な。

さて、これで見てることは分からない。

さあ!ばっちこい!

なにが来ても俺は動じんぞ!!



──────────────────────────────

天堂 蓮


種族:死神

年齢:──

職業:強奪者

性別:男

配偶者:ルターナ


LV1

体力:error

魔力:error

物攻:error

魔攻:error

敏捷:error

物防:error

魔防:error


固有スキル

【魂魄強奪LV9】

〈霊力99999999+〉

〈取得可能スキル999+〉


【空気圧縮LV─】


【鉄砲水LV─】


スキル

〈霊体化LV7〉〈暗視LV6〉〈危機察知LV7〉

〈再生LV9〉〈気配察知LV3〉〈気配遮断LV3〉〈身体強化LV8〉〈根性LV3〉〈風魔法LV6〉〈雷魔法LV6〉〈飛行LV8〉〈索敵LV6〉〈魔力操作LV8〉〈魔力感知LV8〉〈水魔法LV7〉〈氷魔法LV6〉〈水棲LV6〉

──────────────────────────────


………………………え?

あ……………えーっと………え?

………なにこれ?

…えーっと………なにこれ?

……神??……死神ね……ほほぅ?

……強奪者かぁ……ははーん?


LV1なのにステータスがerrorだってよ。

あっはっはっは、笑えるな。



─ちょっと待て!!

なにがあった!?

いったい俺が寝てる間になにがあった!!

俺は受け止められない現実に頭を抱える。

これで混乱するなとか無理だよ……


つーか、種族がついに人じゃなくなっちゃったよ!?

死神ってなんだよ。俺ってば神様になっちゃったのか?


職業:強奪者ってなんだ?

確かに魂奪いまくったけどさぁ、これはなくないか?

いやね、カッコいいんだけどね。


て言うか霊力に至ってはカンストしてるぞ??

これ…いったい何から魂奪ったんだ?

こ、怖すぎて考えたくない。


いやそんなことよりも配偶者ってなんだよ!

ルターナって誰だよ!!

知らない間に知らない奴と結婚してんじゃんか!!


そんな事を考えていたから。


「ふふふ、ステータス見たのがバレバレよ?」


当然バレた。


「うるせぇ黙っとけ、今それどころじゃない」

「そう?じゃあいいこと教えてあげる。私はルターナって言うの」


……()()()()??


配偶者:ルターナ


「お、お前かぁ!」

「嬉しい??」


首をコテンと傾けてルターナが聞いてくる。

不覚にも可愛いと思ってしまったことが悔しい。


「この状態で嬉しいと思うと思うか?」

「そう、つまり嬉しいのね?」

「今世紀最大のバカめ!」

「それ、普通の人には伝わらないわよ?」


む?世紀はこっちじゃ無いのか?


「それじゃまるでお前は違うみたいだな」

「えぇ、死神ですもの。今は元だけど」


俺の頭に莫大なステータスや霊力などの変化と死神と言う種族が思い浮かぶ。

何からとったか不思議だったが。


「お、お前か……」

「情緒不安定で落ち着きがないわね。まるで喚く猿、滑稽だわ」


くっ……

や、やられた。

勝ち誇った顔しやがって…

さっきまでバカだバカだ言ってたのにこの様じゃ。

俺が間抜けみたいじゃないか。


……まてまて、そんな事より何でこいつ生きてんだ?


「おい待て、何で生きてんだ?魂とられたんだろ?」

「なめないで、私は死神よ?あなた程度で殺せるわけないでしょ」

「だが元だろ?」

「ええ、あなたのせいでね」

「どういうことだ?」

「言ったでしょ?私はあなたを殺しに来たのよ。あなたがシーサーペントを殺したところで殺そうとした、死神としてね。でも、気がついたら魂の一部とともに、死神としての力をあなたにとられちゃったの」


なるほど、殺しに来て返り討ちにあったと。


「ただの自業自得じゃねえか」

「それを言われちゃ何も言い返せないんだけどね」


そう言ってルターナはクスクス笑う。

あまりにも可愛く笑うから流してしまいそうになったが、なんでこんなにさっぱりした顔してんだ?

……まあ、いいか。


「お前はこれからどうするんだ?」

「仮にも夫婦でしょ?お前じゃなくてちゃんとルターナって呼びなさい。私もあなたのことはこれから蓮って呼ぶわ」

「いいのか?少し前まで殺そうとしてた相手だろう?」


不思議な子だな。

ん?いや、神だったなら見た目より年取ってんのか?


「いいのよ、それとも蓮は恥ずかしくて呼べない?」

「俺はそんなガキじゃねぇよ。そんで?ルターナはこれからどうすんの?」

「どうするもなにも、蓮についていくのよ?」

「は?仮にも元神様だろう?いいのかそんな事してて」

「それは蓮も一緒でしょう?それに元だから大丈夫よ。あ、でも教会には行かないとダメね」

「じゃあやっぱ町を探さないとな、詳しい話もそこでいいだろ。とりあえず疲れた、何か食って寝たい」

「町なら私が知ってるわ。あっちの方向よ」


ルターナは自信満々に指差した。

なるほど分からない。

砂漠だからな。


「まあ、行き先は決まったし行くか」

「歩いて?」

「飛んで」


そう答えて、背中から黒緑の翼を出す。

アホみたいなステータスで怪我をしないよう、少し練習してからルターナをのせて俺達は町にむかった。



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