表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/25

さよならFランク




なんやかんやあって現在冒険者ギルド、依頼達成の確認中だ。


「ゴブリンが30体、ウルフが30体、薬草100束、マナの葉が100束、はい。ではこれが報酬の金貨3枚とDランクの冒険者カードになります。凄いですね、一気にDランクですよ」


そう言って受付嬢は金貨3枚を渡してくる。

FランクからDランクになるのは数をこなせばいいだけなので、一気に上がる奴はさほど珍しくは無いようだ。

しかし、Fランクもこうしてみると悪くない稼ぎのように思えるが、よくよく考えてみるとそうでもない。


討伐の依頼が1回銅貨10枚、採取が1回銅貨5枚。

3人でゴブリンかウルフを合計9体、採取を30束やったとして1人あたり銅貨15枚。

日本円なら銅貨が100円くらいだから1500円、それがEランク冒険者が1日に稼ぐ大体の報酬だ。


Fランクの報酬はこれより低いと考えると、本当に冒険者は世知辛い。

これからも頑張ってくれFランクのヒヨコ達よ、俺達は一足先にDランクになるぜ。

まあ、銅貨50枚くらい稼げば自動的にEランクになるんだが…


「相変わらず鉄だな」


そう言って貰った冒険者カードを掲げる。

テッテレー!蓮はDランク冒険者になった!


「バカなことやってないで帰るわよ」


む?腹ペコ君がやけに宿に戻りたがる。

また腹へったのか?

燃費の悪いことで。

冒険者カードをポケットから異空間に仕舞いルターナを追いかける。


「なんだ?また腹へったのか?」


「う……いいじゃない別に、美味しいんだから」


「俺はルターナが丸くなってしまわないか、心配だよ」


そう言って頭を撫でる。

ルターナの頭は本当に撫でやすい位置にあって気づけば大体撫でてる気がする。


「レディに失礼じゃない?」


「はいはい、ルターナかわいいよ、かわいいかわいい、世界中の誰よりかわいいよ」


「……レディの扱いが雑よ」


「ほー、顔、赤いぞ?」


そう言うとルターナはバッと腕で顔を隠す。


「うっ、そー」


我ながらクソうざいなこいつ。

あ、今度は本当に赤くなった。


「ぅぅぅー」


うん。ルターナはかわいい。


「まあ、帰るのもいいがその前に服と防具と武器っぽいの買ってこうぜ」


「?別に必要ないわよ?」


「この格好じゃ俺ら目立ちまくりだろ?」


ちなみに言ってなかったが俺は制服オンリーである。

加えてルターナも変に品のいい物を来ているからよく目を引くし、目立つ。

さっき冒険者ギルドでも目立ちまくってた。

ルターナをねっとり見てた奴は漏れなく原因不明の衝撃で、股間と腹と顔を強打され悶絶していたが。


「だから、服屋に行きます」


「でも、それなら幻術でもいいじゃない」


………確かに。

その発送はなかった。

感心して足を止めてしまう。


「じゃあ、帰るわよ」


その一瞬で全て決まったようで、お流れになってしまった。


「残念だ。非常に」


「なんでよ?」


ボロ黒ローブの材料が欲しかったんです。


「ルターナの着替えを覗くつもりだったんだ」


「別にいいわよ?」



「マジでか!?」


「うっ、そー」


ルターナは俺の真似がしたかっただけのようです。


「そりゃないよ」


「裸が見たいなんて、まだダメよ」


なんて、ルターナはポツリと呟いた。


「まだ?まだと言わなかったか?」


しまった!と言う声が聞こえてきそうな顔をしてルターナは顔をそむけた。


「気のせいよ」


「かなりがっつり聞こえたんだが?」


「気のせいよ」


「仕方ないな、じゃあ裸の見せ合いっこをしよう」


「………気のせいよ」


「ちょっと迷ってなかったか?」


あっ、そんな事を話してる間に宿についてしまった。







▽▽▽






ルターナが食事を終えた後、俺は困っていた。


「なあ、ルターナ」


「なに?」


「なんでベッドが2つあるのにこっちで寝るの?」


そうなんです。

ルターナってばわざわざベッドが2つある部屋なのに昨日俺が寝た手前の方に横になったんです。


「……いいよって…言ってたから……」


そんな事を言いながら顔を赤くしないでくれ、色々我慢が効かかなくなっちゃうから。

と言うかまさか本当にやるとは…


「や、確かに言ったが」


「いや?」


ルターナはそう言って目を伏せる。

それは反則だ。

どんどん退路がなくなってる気がする。


「いやと言うか、チェリーボーイには刺激的すぎてな」


「あぁ、童貞だものね」


呆れ顔で言うな。


「オブラートに包んだ意味を返せ」


「でも、大丈夫よ。私も処女だから」


「う~ん、なんともコメントに困るな」


そんな事を話しているとルターナだんだん寂しそうな顔をしはじめた。

俺はそれをみてはぁ、とため息をついてしまう。





「ねぇ、やっぱり───」


「どーん!」


狭いベットなので抱き合うようにしなければ2人では寝れないので、仕方なくルターナを抱き締める。


「わっ、わっ」


「じゃあ、寝るか」


そう言うとルターナはパッと花が咲いたように明るくなった。

しかし、そんな顔をしたのが恥ずかしかったようで努めて平静を装っている。


顔が真っ赤で丸分かりだが。

嬉しそうにニマニマしちゃってまあ。

かわいいなおい。


その後、ルターナとちょこちょこ話して寝た。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ