ついてない
どうする?どうするどうするどうする
って考えてる暇ねえええええ!?
両手の短剣で振り下ろされる棍棒をクロスするように挟み、ぶつかる衝撃波と後ろに下がるのを同時にして...
ギリギリで避ける事が出来た...
「あぶねええ...」
マジで危なかった
運良くさっきの回避行動出来たけど....次やれって言われても出来ねえよ
それより...こいつどっから来た?
別に俺、サーチ系のスキル持っていなから探知なんか出来ねえけどさ...
殺す直前まで殺気と気配、足音をを殺して近付くとか人間業じゃねえぞ....オーガだけど
「殺せるか?」
オーガはオークみたいに筋肉と脂肪で出来てるのではなく、筋肉だけで出来てると言っても過言ではない脳筋だ
その圧倒的な筋肉から繰り出される体術も凄く、体術のプロでも勝つのが厳しいらしい
それに脂肪じゃなく固い筋肉で出来てるので刃が通りにくいのも特徴だ....
はっきり言って。短剣で戦う敵じゃない
「でもな....逃げるとか無理だしな」
固い筋肉で出来ると言ったが...柔軟性にも優れており
走るスピードは犬や狼にも匹敵するらしい...
つまり、逃げられない。もし逃げようとすれば戦闘体制に付いていない分余計危ない。
「詰んだな.....」
後ろに下がったり横に移動してもオーガはそれに会わせて移動してくる
そしてそれを何度も繰り返すと....痺れを切らしたのか棍棒を振り上げながら右足を軸に踏み込んできた
「くそっ!」
サバイバルナイフの刃をオーガの股の間に通し、飛ぶ刃を止めて左に振るった
糸はオーガの右足の膝に巻き付き、刃の部分が留め金の変わりとなり...
「おらああっ!?」
それを思いっきり引っ張った
少ししか軸をずらす事が出来なかったが...
振り下ろされる棍棒は俺の真横を通り地面に激突し窪みを作った
サバイバルナイフのから出てる糸を切断してから柄かを離し、鞘から短剣を抜くと振り下ろした棍棒を持つ右手の手首を切りつけた。
もともと握っていた短剣でも同じところを切り付けると筋を切る事が出来たのか棍棒を落としてくれ、
俺は落ちる棍棒を蹴飛ばしてから後ろに下がった
「よし」
先ずは武器を奪うことが出来た。
オーガは俺に反撃を受けたせいか苛立っており、さっきより濃い殺気を放ってきた
が。
自分の切り付けられた手首を見ると、何処かへ走って行った。
「......終わったのか?」
終わったと思いたいな。
あんな奴倒すの無理だし。二度と戦いたくない
糸を切断したので足からほどけていたサバイバルナイフの刃と柄を回収してから、またオーガが襲ってくるかもしれないので町に戻った
ギルドでオーク討伐の報酬を受け取ってからは適当に町を歩いて回った。
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最近お世話になっているレストラン?いや食堂か?で昼食を取っていると...
「あっれーー。大和じゃん」
「お、本当だ。久し振り」
うへえ.....
今日は付いてなさすぎ....
何で晴香と大河が来るんだよ....普通に俺の使ってるテーブルの前に座ってきたし...
「あんた。まだこの国に町にいたんだね」
「そうだな。聞いてる話だとお前、宿に止まれないんだろ?。」
.....そう言う事か
コイツらが貴族か王族連中に言ったんだな...
宿とかに泊まれなくすると。町から出ていくかもってさ....
「まあな。お陰様で野宿生活だよ」
「ぷっ...野宿?野宿だってーーーあははははっ。」
「そう笑ってやるなよ。大和だって仕方なくしてるんだからさ」
うぜええええええ.....
お前らがしたんだろうが!
「来週の決闘大会が終わったら町を出るつもりだよ」
「決闘大会?ああ...あれに出るんだ。止めときなって。死んじゃうよ?大和一般人レベルなんだしさ、勇者なのに、ぷっくすくすくす」
「..........」
「俺は決闘大会には出ねえけど。山崎は出るらしいぞ。だから優勝は多分出来ない。それでも出るのか?」
へえ...山崎が出るんだ...
良いじゃん、確か決闘大会はS~Gブロック、計8ブロックに別れてブ全ブロック、一回戦はバトルロワイアル形式で 4人になるまで戦い、二回戦からはA~Fブロックで勝ち上がった奴等を一対一で戦わせるトーナメント方式だったから
対戦相手はくじ引きで決めるらしいけど。
つまりだ...決勝戦で戦うことになれば最低でも4人は殺せる
それにだ。一回戦はバトルロワイアル。つまり密集状態で相手を気絶させるか退場させなければいけない
勿論、殺しもありだ。ので実力者を何人も殺す事が出来る。
相手は俺を蹴落とそうとしてくるんだ。少し罪悪感はあるかもしれないが殺す対象には違いない
もしだ、もし。決勝戦で当たる事になれば強くなった俺vs勇者山崎になり...
腕試しになる
「そっか。情報ありがとう。それじゃ俺はもう行くよ」
「バイバイー。」
「あ、ああ。またな」
「それと」
席を立ち、二人の後ろに行くと立ち止まり、振り返り様に殺気を二人に放ちながら短剣を二人に突き付けた
客や店員は慣れているのか悲鳴を上げる事はせず、いつでも逃げるように準備をしており、突き付けられた二人は固まっていた。
「気安く俺の名前を呼ぶな。屑勇者が。次俺の名前を言ったらその首が飛ぶと思え」
「「...........」」
それだけを言い残し。俺は短剣をしまい。
食事代を払ってから店を出た