帰宅
初めて書いた小説です。
お気軽にお楽しみください。
ある雨の日のこと
学校からの帰り道
僕は1人寂しく帰宅路を歩いていた。
僕には友達はいない、彼女もいない
しかし、家族はいる
心優しい家族がいる
そして、いつも気を使ってくれる兄もいる
そう、たとえ1人寂しく帰宅路を歩いていたとしても僕は孤独じゃない
1人じゃない
家族がいる
それだけで幸せすぎるくらい幸せだ!
家に着く
家の中から家族の笑い声が漏れ出す
僕は微笑みながら家の扉を開ける
扉を開ける
扉を...あ、あれ?
気のせいか?扉がいつにも増して重い
そういや、昨日結構な揺れの地震があったんだった。
そのせいで、扉が開きにくくなっているのか
そんなことを考えながら、今度は力一杯扉を押した。
ギギィーと音を立てて扉が開く
さっと額を拭って玄関に入ると、僕が帰ってきたことに気づいた母がパタパタと音を立てて出てきた。
そして、いつも通りの
「おかえ...」
?
なんなんだw 息子が帰ってきたってのに変な顔しやがって
僕は構わず返事をした
「にゃにゃいにゃー」
...え?
なんだ?この近くに野良猫でもいるのか?
その時、母はいきなり僕の体を持ち上げて外に放り投げた
【へ?え...?え?】
バタンッと大きな音を立ててドアが閉まる
そして
「カチャン」
鍵を閉められた
僕は驚きを隠せず、ただポカンとしばらくの間静止していた。
いやいやいやいや!!
ななな、なんなんだぁ!
今日は、エイプリルフールじゃないぞ!
慌てて、ドアを叩く
「にゃー!にゃー!」
また、どこからか野良猫の声がする。
【うるさいんだよ、今は野良猫なんかに構ってる暇なんてないんだよ!】
ドンドンとドアを叩く
そして、ようやく気づく
ドアを叩いていた右手が白く、丸くて、可愛らしい見覚えのある手だった
【ひっっ!】
今の状況が全く理解できない
雨に打たれてよろめきながら、家の窓ガラスの前に立つ
僕は唖然とした
どうやら野良猫の正体は
僕だったようだった