表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Crystal Disc 外伝『深撃の銃弾』  作者: ハルシオン
第一章:海竜退治
2/109

2.「水羽 ――海竜退治①――」

「海が荒れてきたな」


 曇り空の下を一艘の中型船が進む。

船員も含めて三十名ほどが乗船しており、船倉に入りきらなかった分の荷物が甲板にまではみ出している。

そこから空を眺めて銀髪の青年がつぶやいた。

その隣でも同じようなことをつぶやく屈強な男がいた。


「また雨かよ、ついてねぇな」

「また?」と青年が反応する。

 屈強な男は青年の方を向いて話しかけてきた。

「あんちゃん旅人かい? バレンシアはここしばらくずっと天気が悪いんだよ。嵐に発展する規模のやつもしょっちゅうでさ。おまけに変な霧まで発生してて、そいつのせいで動物が凶暴化してるって話だ」


 屈強な男が色々なことを喋ってくる。

その話を横で聞いていた別の色黒の男も話に加わってきた。

「あぁ。うちのかみさんも洗濯物が乾かないってぼやいてたよ」

「ま。そんな天気でも出してくれるような船だから乗せてもらってるんだがな。なんせ俺達の仕事は足が無いと始まらねぇからよ」

屈強な男は親指を立てて、甲板にはみ出してきている荷物を差す。

どうやら荷物を運ぶ業者のようだ。


「しばらく街を離れてる間にそんなことになってたのか」

銀髪の青年が話を続ける。

「俺はハンターだ。ウェールズを拠点に活動している」


 ウェールズはこの船が向かっている街の名前だ。

そしてハンターとは一言で表すと「何でも屋」である。

金さえ貰えば何でも依頼をこなすプロの呼び名であり、青年は腰に掛けた二丁の拳銃を見せてみせた。

「へぇ。その若さでたいしたもんだな」

屈強な男が言うように、ハンターの仕事は常に危険と隣り合わせ。

真っ当な人間には容易に務まる仕事ではない。


「仕事は主に化け物退治や護衛とかだ。他にも財宝探しから探偵稼業、飼い犬の散歩まで手広くやってるぜ」

 青年の売り込みが始まる。

すると屈強な男が話に食いついてきた。

「へぇ。だったら是非とも退治して欲しいやつがいるんだが、いいかい?」

「もちろん」


「その前に名前聞かせてくれよ。俺はゴーガって言うんだ」

 屈強な男はそう言って握手を求めてきた。

その手を握り返して銀髪の青年は名乗った。

「俺の名前はミズハだ」

色黒の男の名前はありません。彼はモブです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ