表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Crystal Disc 外伝『深撃の銃弾』  作者: ハルシオン
第二章:誘いの森の業者救出
14/109

14.「心配 ――誘いの森の業者救出③――」

「気をつけてねミズハ。最近は変な霧のせいで森の動物たちも凶暴になってるから」

 去り際にソラが声を掛けてきた。

心配性な性格は親父さん譲りだ。

そしてミズハも、船の上でゴーガが話していた『動物を凶暴化させる霧』の事を思い出していた。

「大丈夫だよ」

その言葉だけ言い残してミズハはギルドを後にする。


 二週間ほったらかしだったバイクのエンジンを温めている間、ミズハは装備を整える。

「足場が悪くなってるらしいからワイヤーは装備したほうが良さそうだ」


 ミズハは自身のハンター装備を三パターン用意している。

二丁拳銃や応急処置器などの必要最低限の道具だけを持って身軽に動ける軽装備パターン。

それにワイヤーによる移動手段や連絡機器を追加して行動範囲を広げる標準装備パターン。

そしてさらにそれ以上、予期せぬ事態や凶暴な動物を仕留めるために遠距離用ライフルなどを持ち歩くフル装備パターン。


 状況によって多少変わるが、今回は足場が悪い森での人命救助ということで医療道具を多めに持ち歩く標準パターンで行くことにした。

支度を終えてバイクにまたがる直前に背後から視線を感じた。

ゆっくりと振り返ったミズハが見つけたのは、街灯に照らされたファルの姿だった。

陽も落ちて肌寒くなっていたファルはピンクのカーディガンを一枚羽織っている。

「これからまた仕事?」と言いたそうな不安げな表情を向けるファルに、ミズハはグレーのマントを羽織ながら先手を打った。


「ちょっと行って帰ってくるだけだよ。あったかくして寝な」

 精一杯の優しい表情でそう言ってバイクにまたがるミズハ。

エンジンを噴かすその最中、背後からファルの声が飛んできた。

「明日も、ご飯作りに行っていい?」


 ミズハは顔だけ振り向き、さきほどの場所から五~六歩近づいてきていたファルに向かってこくりと頷いて見せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ