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109.狩りの街
いざないの森を突っ切ってこの街にやってきたミズハはたちまち噂になった。
その噂の一部が彼の耳に届いた。
「ウェールズって言えば、今大変なことになってるらしいじゃないか。やっぱり逃げてきたのかな?」
「ウェールズでなにかあったのか」
その返事は筒状に丸められた新聞を投げて返された。
「今日のだよ」と付け加えられたその新聞の日付は、ミズハがウェールズを出発してから五日が経っていた。
森の聖域でそれほどまでに長い時間休んでいたのかと驚くと共に、それ以上の驚愕すべき記事が一面を飾っていた。
声も出せず。
体を震わせながら、読んでいた新聞をバサッと布団に叩き付けるように置く。
「すぐに戻らないと!」
思わず取り乱し、立ち上がろうとするも力の入らない体はすぐに床めがけて倒れ込もうとする。
気遣ってくれている周りのガヤガヤ声は耳に入ってはくるものの心には響かない。
『狩りの街に獣人多数出現』の見出しだけがミズハの心に響いていた。
ちょっと書くの飽きたので、一週間くらい休みます。