ヒトデナシ
年が明け、松の内もとっくに終わった。世間はとっくに日常生活に戻っているというのに、襲は長く慣れ親しんだ自宅から一歩も出ずに毎日を過ごしていた。だがそれは別に襲が怠惰だからというだけの理由ではない。本来なら試験期間真っ只中の大学にも行かずにいるのは謹慎中の身だからだ。
昨年の十二月上旬。襲は二ヶ月と少しを過ごしたマンションから自宅へと戻った。
戻った襲を迎えた祖父は有無を言わさず殴りつけてきた。少々の問題行動の直後なのでそれくらいは覚悟していたが、一から鍛え直すと宣言した祖父によって思い出すのも嫌になる修行という名の折檻を受け、満身創痍で新年を迎えることとなったのはさすがに痛かった。その上二ヶ月の自宅謹慎を命じられたため、せっかく自宅に戻ったのにも関わらず外出も許されずにいる。
退屈だがそれも悪くはないだろう。去年の九月から十二月まで、二十四時間体制で働いてきたのだから、しばらくゆっくり過ごして休息をとるのも大事だ。祖父に鍛えられたというより痛めつけられた体もまだ癒えきっていないことだし。
そんなことを思いながらベッドに横になっていると、廊下からぱたぱたと軽やかな足音が聞こえてきた。その足音が襲の部屋の前で止まったかと思えば勢いよく襖が開かれた。反射的に体を起こすと、やけに明るい声が入って来た。
「やっほーう襲くん! お邪魔するよー」
無駄に明るい声の主は、部屋の主の意向などおかまいなしにそのまま部屋に入ってきた。
「比奈ちゃんか。ノックくらいしろよ」
「細かいことは気にしない、気にしない」
明るく笑いながら朝比奈は畳の上に座った。今日は制服ではなく、ゆるめのニットにデニムのショートパンツというラフな私服だ。
「ん? 今日って平日だろ。学校はどうしたよ」
「今日はサボりー」
「おいおい。いいのかよ、受験生」
「ああ、受験ならもう終わったよ。ちゃんと合格通知もらったもん」
「あんま素行不良だと合格取り消されるんじゃねえの?」
「別にそうなったらなったでかまわなもーん。それより襲くん、一体何したわけ?」
朝比奈は急に真顔になって恨みがましく言った。
「おじいちゃん、しばらくは随分機嫌悪かったんだよ。新年会も皆で戦々恐々だったんだから」
三嶌崎家では正月元日から二日は襲の家に親族皆が集まり、新年会を開くことになっている。だが襲は今年は謹慎中だった上に祖父にしごかれた際の怪我の療養もあったので不参加だったが、家族や親戚から新年会の席でも祖父の機嫌が今一つよくなかったことを伝え聞いてはいた。そのついでに朝比奈同様、あまり祖父の機嫌を悪くしてくれるなと恨み事も何度か言われた。
「襲くんが何かしたーっていうのは皆知ってるけど、何をしたかは大人たちくらいしか知らないんだよね。本気でロリコンになったとか、善良な一般市民も巻き込んで暴れちゃったとか色んな噂にはなってるけど、どれが本当?」
「どれも本当じゃねぇよ」
「……ふーん」
朝比奈は怪訝な顔をしながらひとりごちるように言った。
「そう言えば藤堂十蔵さんの葬儀、随分大々的だったらしいね。社葬には政財界のお偉いさんが山のように詰めかけたって新聞やニュースでもやってたし」
「そりゃあ財界を牛耳ってたようなじいさんが死ねばなぁ」
「世間的には病死ってなってるね。少なくとも表向き不審な点は何もなかったってことになってはいるみたいだけど」
ちらりと朝比奈は襲を見た。
「藤堂さんの死後すぐに強制的に家に戻されて、葉月ちゃんの警護の任を解かれた襲くん的にはどう思う?」
「さぁ? 特に何も」
ベッドに寝直しながら答えるが、朝比奈は襲の言葉も態度もおかまいなしに続ける。
「おじいちゃんをあれだけ怒らせて折檻までされちゃったくらいだもん。絶対何かあると思うんだよね」
「比奈ちゃんは想像力豊かだな」
「でしょ? たとえば……葉月ちゃんに危害でも加えちゃったとか」
カコン、と庭の獅子脅しが鳴った。
「ま、でも襲くんが葉月ちゃんに危害を加える理由なんて特に見当たらないし、どちらかと言うと葉月ちゃんを危険から守れなかった、あとはそうだな……実は襲くんが依頼人の藤堂さんを殺したとか」
朝比奈の視線を感じながら襲は答える。
「さて、どうだろうな?」
「むぅ。ま、私が持っている情報からはそれくらいしか想像がつかないんだけど、それ以外の何かっていうのもありなのかな」
「ま、好きにその豊かな想像力を働かせろよ」
「何よう。教えてくれればいいのに」
朝比奈は口を尖らせて床に足を投げ出した。
「自分で考えた方が思考能力が鍛えられていいだろ? 親戚の生意気娘にまでこんな気遣いができるとか、俺って本当優しいな」
「どこがぁ?」
かわいくない朝比奈の反応を横目に、襲はぽつりと言った。
「……比奈ちゃんが届けてくれた手紙があったろ」
「は?」
唐突な言葉に朝比奈は目を見開く。
「藤堂さんが死ぬ前日に夕食と一緒に持って来てくれたやつ。じいちゃんから預かって来たっていう俺より字が汚い手紙」
「あーはいはい」
思い出したように朝比奈は手を叩いた。
「そう言えばそんなこともあったね。で、それが?」
「あれな、藤堂の十蔵さんからの手紙だったわ」
「そうだったんだ。何? 依頼内容に変更でもあったの?」
「いや。変更ってわけではない。ただ改めて念を押された感じかな」
封筒には差し出し人も当て名もなかった汚い……正確に言えば非常に読みにくいガタガタした字で書かれた手紙は件の藤堂十蔵直筆の物だったらしい。元は随分達筆な人間だったらしいが、弱った体では字を書くことすら困難だったらしいとは先日祖父から聞いた。
一度も面会が叶わなかった依頼人は病床でそんな体で、わざわざ会ったこともない娘のボディガードへと手紙を書いた。便箋一枚でも余ってしまうような、決して長い文章ではなかったが、そこには財界の黒幕と言われた老人の死の床での願いが綴られていた。
――自分のせいで不幸な境遇に置くことになってしまった葉月の願いを可能な限り叶えてやってほしい。たとえそれが依頼人である自分の殺害であろうとも、どうか叶えてやってほしい。もし葉月がそれを望んだなら、できるならば葉月本人の手を汚させることなく襲の手で殺してほしい。それ以外に最早自分には娘にしてやれることがない。どうかこの願いを聞き入れてほしい。
哀れな老人の独りよがりの懇願だった。
娘の手を汚させない代わりに、赤の他人に罪を犯せと言う。
随分身勝手な話だと笑い飛ばすこともできた。
手紙など見なかったことにすることもできた。
だが、襲にとって罪の一つや二つ増えたところで今さらだ。
ならもしそんな状況に陥ることがあれば、それでもまたかまわないとも思った。
そう思ってからほんの数時間後、襲は『そんな状況』に居合わせることになる。
「本当だったらああいう状況を作らせないのも俺の役割だったんだよなぁ。それができなかったのもじいちゃん的には不満だったんだろうよ」
「……何言ってるのかわかんないんだけど」
事の詳細など知らない朝比奈は首を傾げているがそれでかまわない。
別にこれは朝比奈に事の次第を教えるために口にしているわけではないのだから。あくまで言葉に出すことで、自分の中で様々なことに折り合いをつけたいだけなのだから。
「藤堂のじいさんのほとんど確信と言っていい予想は、俺だって一応は可能性として考えてなくはなかったんだよな。何しろはーちゃんは俺や比奈ちゃんと普通に関われそうなくらい逸脱した子だったわけだし、あの子の父親へに向ける感情は尋常じゃなかったし」
何より襲はそういうものに敏感なのだ。害意だとか殺意だとか、そういうろくでもないものに。
「とは言え俺なんかよりよっぽど常識的な子だしな、手段がなければそれはないだろうと思っていたのに」
そう言って襲は朝比奈を見た。
「何?」
朝比奈は目をしばたたかせた。
「今回俺がこーんな目に遭っているのは比奈ちゃんにも責任の一端はあるんだぜーってこと。比奈ちゃんがあの時デザートを食いたいとか言わなきゃ、はーちゃんには実行手段を得ることはなかっただろうに。ま、俺も迂闊だったけどさ」
「はぁ? デザート?」
何のことだと言わんばかりに首を傾げる朝比奈に、襲はあしらうように軽く手を振った。
「別に考えるほどのことじゃないさ。それより俺、眠くなってきたから寝るわ」
そう言って布団を頭までかけると、布団の向こうで朝比奈が不満げに声をあげながらも立ち上がる気配がした。
「もう。せっかく来たのに結局何にもわかんなかったー。襲くんの意地悪、ろくでなしめ」
「ろくでなしじゃないって。人でなしだよ、人でなし」
「似たようなものじゃん。そんなに昼間から寝てばっかりでぐーたらしちゃってさ」
「ケガの療養中ってことになってるんだから別にいいだろが。そうだ。ケガの療養中だってのにな、お前んとこの兄貴達ときたらそれぞれ嫌がらせに来たんだぞ」
「へ? そんなこと聞いてないけど」
「俺がはーちゃん狙いの連中の相手を比奈ちゃんに任せたのがよっぽど気に食わなかったらしいけどな、しつこく説教されるし、パソコンとスマホのデータは書き変えられるし、テレビをぶん投げてくるしろくでもない兄貴共だ。妹がブラコンなら兄達のシスコンっぷりも大概だぜ」
すると朝比奈は腰に手をあてて睨んできた。
「ちょっと。私の家族の悪口言わないでよ。いくら私が寛容だって怒るからね」
「比奈ちゃんが寛容だったなんてそりゃあ初耳だ」
せせら笑いながら答えると朝比奈は肩を怒らせ、バカだのハゲだの言いながら部屋を出て行った。
乱暴な足音が遠ざかって行ったかと思うと、しばらくしてからまた足音が聞こえてきた。そしてやはりノックなしに襖が開かれた。
「ノックしろって」
そんな襲の苦言など聞き入れる様子もなく朝比奈はつかつかと部屋に入ってきて布団を剥ぎとった。
「寒っ。こら、俺の布団を返せ」
「そんなことよりもこれ」
襲の眼前に突き出されたのは小綺麗な薄緑色の封筒だった。
「あ?」
「襲くん宛てにさっき届いたんだって。渡してきてって頼まれたから持って来てあげたの。私ってば郵便屋さんじゃないのに」
わざとらしく肩を竦める朝比奈から手紙を受け取る。確かに宛名は三嶌崎襲様となっていた。先日受け取った手紙と違い、随分綺麗で几帳面な印象の字だ。
差し出し人を見てみると、見覚えのない苗字と見覚えのある名前が書かれていた。
「それ、葉月ちゃんからでしょ? 苗字は違うけど、どこかの養子になったんだっけ?」
「ああ。らしいな」
答えながら封筒の中から便箋を取り出して広げれば、襲よりよほど綺麗な字が並んでいた。彼女らしい字だと思いながら文字を追い始めた。
――襲くん、お元気で過ごされていますか?
ご存じかもしれませんが、私は先日藤堂の家を出て他家の養子となりました。その際、生前の十蔵から譲渡された資産と遺産は、今後藤堂家は私に一切関知しないという条件と引き換えに放棄しました。あの男は私が無事に資産を受け継いでも、藤堂一族が今度は後見人という形で資産を狙うだろうと予測して私と他家との養子縁組の準備を進めていたそうです。今となってもやはりあの男を許すことはできませんが、ここまでされて初めてあの男は私の親なのだとほんの少しではありますが、思うことができるような気がします。
養父母はとても優しい人達で私のような面倒な子供にもとてもよくしてくれ、編入先の学校にも馴染めるように気遣ってくれます。そんな人達にすら私は相変わらず確実に愛情といえるものは返せずにいますが、少なくとも養父母を嫌いとは思いません。今まで人に向けた好意的感情を経験したことがないので断言はできませんが多分、好きなのだと思います。
以前私は誰のことも好きになれないと言いましたが、今思えばその時には私は既に襲くんが嫌いではなく無関心でもなく、好意のようなものを持っていたようです。
私が人を愛せないと話した時、私を否定しないでくれて嬉しかったです。話を聞いてくれて、あなたの話を聞かせてくれて、とてもとても嬉しかったです。本当にありがとうございました。
そしてあの夜のことはごめんなさい。私の身勝手で襲くんにも随分ご迷惑をかけたと後で聞きました。自分の命が狙われるようになり罪の意識や命の重みについての感覚が麻痺していたのでしょうが、今思えば本当にどうかしていました。謝って済むようなことでないことは重々承知していますが、どうか謝らせて下さい。
もしいつかまた会うことができるならきちんとあなたの目を見て謝罪と、それてお礼を言わせて下さい。あなたと暮らせてとても楽しかった。偽物であってもあなたと家族のように過ごせてとても幸せでした。
葉月
「……『追伸、いつも食事を作ってくれたお兄さんや朝比奈さんにもどうかよろしくお伝え下さい』だってさ」
「わぁ嬉しい。ちょっと話しただけの私のことも覚えてくれてたなんて」
「律義な子だからな」
つい一ヶ月前まで続いた共同生活を思い返し、笑いながらそう言うと朝比奈は襲を見上げてきて言った。
「襲くん、葉月ちゃんのことけっこう好きだよね」
「あ?」
またロリコン疑惑かと身構えたところで、朝比奈は先手を打って否定した。
「や、恋愛感情でなく。そもそも襲くんに恋愛感情ないことくらい知ってるし。そうじゃなくて普通に好きだよね」
「ああ、そういうことか。うん。まぁ普通に好きだな」
「珍しいよね。襲くんが人を好きになるの」
「そうかぁ?」
「そうだよ。だって襲くん、基本的に身内以外に興味薄いじゃん。実は歴代彼女も好きってわけじゃなかったんじゃないの?」
さすがに同類である朝比奈は鋭い。
「……まぁ否定はしない」
「だよねぇ」
さっきまでの怒りはもういいのか、朝比奈は笑いながら頷く。
「でも気をつけなきゃだね。もし好きが恋愛感情まで発展したら下手したら襲くん、本当にハンバートになっちゃうかもだし。そうしたらこれ以上なく人でなしだよ」
「ならないっての」
「はいはい、私もそう願ってるよ。さてと。それじゃあ私はそろそろ帰るね」
「おう」
朝比奈は襖の前まで歩いて行ったかと思えば唐突にこちらを振り返った。
「あ、そうだ。その前に一ついい?」
「んー?」
剥ぎとられた布団を被り直しながらの生返事に対し、朝比奈は静かにこう言った。
「人を殺すってどんな気分?」
顔を上げると朝比奈は無表情にじっとこちらを見ていた。
襲はしばらく黙って朝比奈の視線を受け止めた後、乱暴に頭をかいた。
「……比奈ちゃん、実は今回のこと全部知ってるだろ?」
「全部は知らないよ。あくまで断片的にしかわからなかったってさ」
襲と違い、人でなしでありながら不殺を旨とする朝比奈はまったく悪びれた様子なくそう言う。
そんな様子に呆れながらも襲は彼女がどうやって知りえたのかを理解した。
「そうか。お前んとこの下の兄貴の仕業だな? あの情報バカが」
「だぁって大人は皆で私達を子供扱いして隠し事ばっかなんだもん」
朝比奈は頬を膨らませてそっぽを向いた。
そういう態度ばかりとっているから子供扱いされるんだろう。そう思ったが癇癪を起されると面倒なのでやめておいた。
「あんまり過ぎたことばかりしていると、俺みたいにじいちゃんに半殺されるぞ?」
それでも朝比奈は襖の前で無言で顔を逸らしている。けれど部屋を出て行かないのはさっきの質問の返答をもらえるまで出て行かないという意思表示だろう。
襲は観念して大きく溜息を吐いた。
「どんな気分ってな……これ以上なく最悪の気分だよ」
「そう」
「ああ。罪悪感がないことへの罪悪感が半端じゃない」
そういう生き物だからと言ってしまえばそれまでだが、そう簡単には割り切れないらしい。
人でなし集団の中の人でなしは総じて皆、身体機能が並はずれている、と言うか人間と呼べる域を大きく逸脱している。襲や朝比奈の属する集団に昔から時折生まれてくるというその人でなしは並はずれた身体機能の代償であるかのように、皆どこかしら人として外れていた。
個体差はあるが、たとえば朝比奈の度を超えたブラコン、兄への偏執的な執着心もまたそれではないかと言われている。
そして襲の場合は情緒が人とは少しばかり異なる。たとえば恋心というものを理解できない、抱くことができないというのもそれだ。そして何より、罪を犯しても何も感じない。感じられない。
まさしく人でなしだと思う。
「また会えたらって書いてあったが、はーちゃんはもう俺なんかに関わるべきじゃねぇよ。これからはあんな引きこもり生活なんかより、もっともっと幸せな生活を送ればいいんだ」
「他人に自分の幸せを定義されたくはないと思うけど」
「そりゃまぁそうだけどな。思春期の危なっかしい時期に俺みたいのと付き合ってみろよ。ろくな結果にならねぇよ。あの子は俺とは違う。まだ引き返せる。だから、俺なんかと関わったら駄目だ」
二ヶ月と少しを家族のように共に過ごしながら、最後に首に手をかけるような奴の事など忘れてしまえばいい。結果として葉月は今も健在で、あの日彼女の首にかけた自分の手がその命を摘み取ることはなかったが、それでも襲は葉月が質問に答えるまで手を離しはしなかった事実は消えない。
結果だけ見れば葉月は新たな人生を歩き始め、それなりのお咎めも覚悟していた襲は満身創痍とはいえ一応五体満足で今も生きているからそう悪いものではないのかもしれないが。
だけれどもあの過程を思えば、これが襲に思いつく限り最良の彼女の新たな人生への手向けだ。
「襲くんがそう言うならそうなんだろうけどさ」
朝比奈は今一つ納得のいかない様子だ。
「そうだよ。他ならない張本人の俺が言うんだから間違いない」
そう、間違いない。けれどもし偶然にでももう一度会う機会があったら、そうしたらまた彼女と話ができたらいいと思った。そんな偶然など、ないほうがいいに決まっているけれど。
「……ああ、でも返事くらいは書かないとな」
薄緑の封筒を見下ろしながら呟くと、朝比奈が意外そうに声をあげた。
「珍しいね。襲くんがそんな律義なことするの。年賀状だって書かないのに」
「自分よりずっと年下の女の子があれだけ律義なんだ。俺だって律義に返そうって気くらいは起きるさ」
さて、何と書こうか。
ろくでもないくせに穏やかで楽しかった奇妙な同居生活を思い出しながら、襲は大きく伸びをした。
了
ジャンル分けするなら何に該当するのか未だによくわからない話、悲喜劇名詞0.9これにておしまいです。
自分には過分なテーマを扱ってしまったなぁと後悔しながらも何とか完結させることができました。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。余談ですがFC2版では読了後推奨のオマケ短編も載せてますのでよろしければそちらもお付き合い頂けたら嬉しいです。