表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

第5話 農民、ようやく出番を得る(?)

裏山ダンジョン一層目。

俺は「レイカを守らなきゃ」と身構えていた。


……が。


「やぁッ!」

「ぎゃおおおおおお!」


目の前のゴブリン、首から上がなかった。

レイカの銀刀が一閃、残像すら見えない。


「え? あ、あれ? 俺の出番は?」


「拓海は下がってて! 私、警察官だから!」


「ちょ、職務範囲広すぎだろ!? ダンジョンまで管轄外だろ!?」


そんな俺のツッコミを尻目に、レイカは余裕でモンスターを切り捨てていく。

俺は万能農具を構えたまま、ほぼ観客。


そのまま一層の最奥へ。

待ち構えていたのは、体格二回り大きいボスモンスター。

大斧を構え、咆哮する。


「ガアアアアアア!」


「……よし、ここで俺の出番!」


俺が鍬を握り直した瞬間――


「セイヤッ!」


スパァァァンッ!!!


ボスは真っ二つ。


「え、今、斬った!? 一撃!?」


「ふぅ、やっぱ武器が強いと楽ね!」


……俺、ただの荷物じゃねえか。


その後も二層、三層と進むにつれ、レイカの剣は冴え渡り、俺は完全に置いていかれる始末。

スマホの画面を見ると「高山拓海 Lv.3(経験値は仲間のおこぼれで上昇中)」と表示されている。

寄生プレイか俺は。


だが、ついにその時が来た。


四層目――そこはヘビ型モンスターがうじゃうじゃと蠢く階層だった。


「ひぃぃぃぃッ!? ムリムリムリ!!」


さっきまで無双していたレイカが、刀を投げ出さんばかりに俺の後ろに隠れた。

ああそうか、レイカは子どもの頃からヘビが大の苦手だったんだ。


「ふっ……ようやく俺の出番ってわけか」


俺は鍬を構え、大きく振りかぶる。


「耕せェェェェ!!」


ズドドドドドドッ!!!


鍬が振り下ろされた瞬間、前方の地面がごっそり掘り返され、そこにいたヘビ型モンスターは全部ミンチ。

それどころか見渡す限りがふかふかの畑みたいに耕されてしまった。


「お、おおお……!? すご……! でも、ダンジョンの地面が畑ってどういうこと!? ここ魔境でしょ!?」


「耕すのに魔境も関係ねえ!」


胸を張る俺。

だが、スマホにすかさず通知が届いた。


【称号:畑神】を獲得しました。

効果:鍬で振るうたびに一定範囲を農地化。作物育成効率+1000%


「……バトルスキルじゃなくて農業スキルばっか強化されるのなんで!?」


こうして、ダンジョンは順調に畑へと変貌していった。

「俺、農家なんですけど〜スコップはダンジョンを制す〜」という作品も連載しています。


よろしくです。


https://ncode.syosetu.com/n0109kx/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ