バナナとカエルと黒焦げ伝説
色々あって更新が遅れに遅れました_○/|_ 土下座
「階層クリア報酬がバナナってことは……次も猿系モンスターかしら?」
レイカが眉をひそめる。
「うーん、どうだろ? ……そうだ、試しに鑑定してみるか」
拓海は手にしたバナナをスマホにかざした。
《剛力バナナ:食べるとゴリラの如き怪力が一定時間手に入る》
「……あ、これ完全に力押し推奨アイテムだな」
拓海が画面を見て苦笑する。
「ほら、やっぱり。拓海の得意技じゃん」
レイカがクスクス笑う。
「じゃあこのバナナ必要ないわね。もーらい♪」
ルピナがいつの間にかひょいっと奪い取り、両手でバナナを抱えてご満悦。
「いやいや、それ攻略用だから食べるなよ!? おやつじゃないからな!?」
「だーいじょうぶ、アタシの胃袋の中が一番安全よ♪」
拓海が頭を抱える中、一行は四階層へと進む。
そこに現れたのは……カエル系モンスター。
ぴょんぴょんと跳ねながら、ヌルヌルした視線を送ってくる。
「なんだ、カエルか。だったら力押しより……こっちだな」
拓海は鍬を構え、大きく息を吸い込む。
「ファイヤーーーッ!!!」
――ゴォォォォォッ!!!
火炎放射が洞窟を赤々と染め、あわれカエルモンスターたちは一瞬で真っ黒焦げ。
ジュウジュウ音を立て、炭と化して転がっていった。
「あちゃー……乾燥させて動けなくする程度にするつもりだったのにな。やりすぎた」
拓海が鍬を見つめて苦笑する。
「はいはい。『力押しは得意じゃない』とか言ってた人がこれですけど?」
レイカがじと目で突っ込む。
「う……次はもっと繊細にやるから」
そんな言葉もむなしく、彼らはさらに奥のボス部屋へと足を踏み入れる。
そこには巨大な蝦蟇――大ガマガエルが仁王立ちしていた。
その目は爛々と光り、口からヌメッとした長い舌を垂らしている。
「うわぁ……キモい」
「コイツ、間違いなく強敵ね」
レイカとルピナが身構えるが――
「よし! ファイヤーーーッ!!!」
――ゴォォォォォッ!!!
拓海、入室と同時に火炎放射。
次の瞬間、大ガマガエルは悲鳴をあげる間もなく黒焦げになり、煙となって消えていった。
「…………」
「…………」
レイカとルピナ、そろって唖然。
「……あれ? もしかして、またやりすぎた?」
拓海が首をかしげる。
「繊細さどこ行ったのよ!!!」
「もはやカエル焼き職人じゃないの!」
ふたりのツッコミが飛んだ。
そして、ボスの残した宝箱を開けると――
「なになに? ……『ガマの油』?」
中から小瓶が出てきた。ラベルには達筆でそう書かれている。
「うわっ! 本当にガマの油じゃん! 昔話のアレだ!」
拓海が目を丸くする。
「効能は……『ちょっとした傷にすぐ効く』って書いてあるわね」
レイカが説明を読み上げる。
「ほぉ〜、これは便利ね〜。あ、でも料理には使えなさそう」
ルピナがちょっと残念そうに肩をすくめる。
「いや、使わんでいいから! 誰がガマ油で揚げ物するんだよ!」
こうして四階層もあっさり攻略。
「繊細さ」を目標に掲げたはずの拓海だったが、やっぱり力押しと火炎放射で全部片付けてしまったのだった。
「……次こそは、もっと丁寧にやるから」
「はいはい、フラグいただきました〜」
「もう、オヤツ賭けてもいいわよ?」
賑やかな掛け合いをしながら、一行は次なる階層へと進んでいく。




