第28話 ミイラ男と呪いの包帯
七層の宝箱を開けると、中に入っていたのは小瓶。
《アイテム獲得:解呪薬》の通知がスマホにポンッと表示される。
「……解呪薬? おいおい、呪われるの前提かよ。嫌な予感しかしないんだが」
俺がげんなりしてつぶやくと、ルピナが肩をすくめて笑う。
「ま、そういうステージなんでしょ? 気を引き締めていこー!」
……お前、絶対楽しんでるだろ。
石造りの通路に降り立つと、すぐにカサ……カサ……と布のこすれる音が響いてきた。
「で、出たー!」
暗がりから現れたのは――ぐるぐる巻きのミイラ男。
呻き声と共に、包帯をビュンッ!と飛ばしてきた。
「はっ!」
俺は鍬で受け止めるが……ギギギ、と嫌な音がして、包帯が絡んだ部分が黒く変色していく。
「おいおいおい!? これ錆びてきてるんだけど!」
「ちょ、拓海!? 呪い付きっぽいよ、それ! はやく外して!」
ルピナの焦った声に、俺は力任せに包帯をブチブチ引きちぎり、その勢いで渾身の一撃!
ドガァァン!
ミイラ男は木っ端みじんになった。
「ふぅ……やった……」
安堵した瞬間――パキィンッ!
俺の鍬の刃が真っ二つに折れて床に転がった。
「……あ、あぁぁぁ……!」
俺は崩れ落ちる。愛用してきた鍬が……
「うわっ……折れちゃった……」
ルピナも目を丸くするが、すぐに俺の顔を覗き込んでニッと笑った。
「でも無事でよかった! 鍬はまた買えばいいし!」
「……ぐぅ……そりゃそうだけど……」
「はいはい、次はもっとカッコいいやつにしよ? 拓海に似合うやつ!」
「カッコいい鍬って何だよ……」
「あるって、きっと! あたしが選んであげる!」
……なんか調子を狂わされつつも、少しだけ気持ちが軽くなった俺だった。
「俺、農家なんですけど〜スコップはダンジョンを制す〜」という作品も連載しています。
よろしくです。
https://ncode.syosetu.com/n0109kx/




