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第26話 リビングメイルの宮殿

 レイスを倒してホッと一息。

 開けた宝箱の中には、赤く光る瓶が入っていた。


「おおっ、攻撃力アップ薬!」

 瓶を掲げて喜ぶ俺に、ルピナが小首をかしげる。

「ってことは、次は防御が高い敵が出るのかな?」

「かもな! でもアンデッド祭りはそろそろ終わりだろ! やっと畑が作れるぞ!」


 俺のワクワク顔を見て、ルピナはにやり。

「……そういうのを“フラグ”って言うのよ」

「お前、どこでそんなメタ知識仕入れてきたんだよ」


 軽口を叩き合いながら、次の階層へ。

 そこは立派な宮殿のような通路だった。壁にはズラリと鎧が並び、冷たい光を反射している。


「うわ、絶対動くやつじゃん……」

「タクミ、油断すると挟まれるよ」

「やめろ、不安煽るな」


 慎重に歩みを進めると――。

 ギギギ……ギシィィ……。

 金属同士が擦れる嫌な音が響いた。


「ほら来た!」

 目の前の鎧がガシャリと立ち上がり、無言のまま剣を振り下ろしてくる。

 リビングメイルだ!


「ふんっ!」

 俺は鍬を全力で振るい、鎧に叩きつける。

 ガシャァァンッ!!

 見事に吹っ飛び、部品ごと四散。


「え、硬そうに見えたのに……バラバラになったわね」

「見た目だけだな。農家の鍬パワーを甘く見るなよ!」


 ……しかし。

 鎧を片付けた床一面には、無数の金属片が散らばっていた。


「……これじゃあ畑にならねぇ……」

 俺は膝をついてガックリ。

 せっかくアンデッドが終わったと思ったのに、これじゃ栽培どころか種まきすらできない。


「ねぇタクミ、さっき“やっと畑が作れる”って言ってたのに」

「うるせぇ! 俺だって信じたかったんだよ!」


 肩を落とす俺を見て、ルピナはクスクス笑う。

「まぁいいじゃない。次の階層はきっと大丈夫よ」

「……それもフラグだからやめろ」


 俺は散らばった金属片を見て深いため息をつきながら、再び階段へと向かうのであった。

「俺、農家なんですけど〜スコップはダンジョンを制す〜」という作品も連載しています。


よろしくです。


https://ncode.syosetu.com/n0109kx/

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