第23話 墓地の巨骨、餓者髑髏
目の前に立ちはだかるのは、墓地の骨をかき集めて無理やり巨大化させたような怪物――餓者髑髏。体育館サイズの頭蓋骨が、ギギギ……と軋みながら俺を見下ろしていた。
「デカすぎんだろ……。これ、絶対重量オーバーだよな」
「タクミ、ツッコミしてる場合じゃないって!」
ルピナが翼をぱたつかせる横で、俺はとりあえず鍬を振り下ろした。
ガキィン!
確かに俺の力で砕けはする。だが、ほんの一部が砕けてバラバラになった骨は――カチャカチャと音を立てて勝手に再生していく。
「ちょ、待て! 無限ループかよ!」
「回復早すぎて作業ゲーにすらならないね」
ルピナの冷静すぎる感想に、俺は頭を抱えた。倒せなくはないが、これ……何時間かかるんだ?
悩んでいると、ルピナがぽつりと口を開いた。
「そういえば……前に宝箱で聖水拾ってなかった?」
「……それだ!!」
俺は慌ててスマホを開き、アイテム欄から聖水を取り出す。ビンごと餓者髑髏の顔面に投げつけると――
ジュワァァァッ!
当たった部分が白い骨に戻り、そのままボロボロと崩れていくではないか。
「よっしゃぁあああ! ゾンビには塩、骨には聖水! これぞ農業的殺菌消毒だぁ!」
「なんか違うけど効いてるならいいや」
味をしめた俺は、即ショップを開いて聖水を追加購入。ポンポンとサイコロでも投げるかのように餓者髑髏へ投げつけていく。
ボトン! ジュワッ! ボロボロ……!
どんどん巨大な頭蓋骨が縮んでいき、やがて俺の鍬で一撃粉砕できるサイズに。
「――終わりだッ!」
最後の一撃で餓者髑髏は粉々に砕け散り、墓地に静寂が戻った。
「ふぅ……疲れた……」
俺はその場に座り込み、汗を拭った。すると横から、ルピナがニヤニヤ顔で飛んでくる。
「あたしのおかげで倒せたんだから、ご褒美ちょうだい♡」
「はぁ? 俺が粉砕したんだろ……」
「でも聖水のヒント出したのはあたしだもん!」
「……くっ、確かに」
こうして俺は、餓者髑髏戦を勝ち抜いた代わりに、ルピナへの“ご褒美問題”で新たな頭痛を抱えることになったのだった。
「俺、農家なんですけど〜スコップはダンジョンを制す〜」という作品も連載しています。
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