第16話 害獣被害と三度目の冒険の始まり
ある朝、村が妙にざわついていた。
「畑のスイカが全部やられたぁぁ!」
「ウチのトウモロコシも丸裸だ!」
「大根が! 大根が! まるで収穫祭の後みたいに跡形もねぇ!」
どうやら昨晩、山から降りてきた野生動物の群れが村の畑を食い荒らしたらしい。被害は村全体に及び、農家たちは頭を抱えていた。
「いやぁ、イノシシはいつものことだが、今回は鹿も猿も混じってる。しかも数が桁違いだぞ」
「うちの白菜なんて、見事に千切り状態で残ってたんだ……まるでサラダバーだよ」
そんな中、拓海は腕を組んで「ふむ」と考える。
「まあ、俺とルピナで耕して種まきゃ数日で元通りだろ」
「そうそう! 私が水と日差しを調整すれば、すぐに大豊作だよ!」とルピナも胸を張る。
村人たちは「頼もしすぎる農業コンビ」に大いに期待を寄せていたが、拓海は違和感を覚えていた。
「害獣被害は昔からあるけど……今回はちょっと異常だよな。数も種類も多すぎる」
そこで、拓海・ルピナの2人は山へと足を踏み入れた。
鳥の声も少なく、森は妙に静まり返っている。獣道はあちこち荒らされ、地面には無数の足跡が残っていた。
「なんか……動物園の大脱走でもあったみたいね」ルピナが眉をひそめる。
「もしや……」拓海の予感は的中した。
森を抜けた先、そこには――。
どーん、と大穴のように口を開けた、見慣れた黒い入口。
石造りのアーチに、空気を歪ませるような不気味な光。まさしく――新たなダンジョンの発生であった。
「……またかよ」
拓海は頭を抱えた。
村の害獣被害の原因は、どうやらコイツらしい。山の生態系が乱れて動物たちが追い出され、結果として畑に降りてきたのだ。
「むしろラッキーだよ! また甘いおやつ見つかるかもしれないし!」とルピナは前のめり。
拓海は大きくため息をつきながらも、鍬を担ぎ直した。
「はいはい、わかったよ。三度目の正直だ……」
こうして、拓海の三度目のダンジョン攻略が幕を開けたのであった。
「俺、農家なんですけど〜スコップはダンジョンを制す〜」という作品も連載しています。
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