第12話 農民、ミミズも畑にしてしまう
九層の砂漠は、もはや俺の大洪水でドロドロの田んぼ状態。
サソリたちはすっかり雑魚化し、泥に埋まったり、浮かんだり、のたうったりと散々だ。
「……もう、ただの漬物石じゃん」
「生きてるだけ迷惑って感じね」
「うーん、でも肥料にはなるかもなぁ」
そんな呑気なことを言いながら、最奥の扉を開けると――
ズズズズズ……!
砂を割って現れたのは、直径1メートルはあろうかという巨大なミミズ。
口を開けば赤黒い牙がずらり。
――モンゴリアンデスワーム。
「ひいぃぃぃぃっ!! ムリムリムリムリムリ!!」
レイカが腰を抜かした。
まあ、爬虫類と同じカテゴリで扱うのも無理はない。
「仕方ねえな……俺の出番か」
ミミズはサソリと同じく砂に潜り、奇襲を仕掛けてくる。
だが、対策は簡単だ。
「ルピナ、例の魔法で!」
「はーい!」
妖精魔法発動――砂が一瞬でガッチガチに固まる。
まるで巨大なアスファルト。
そこから無理やり這い出てきたミミズの頭部を、俺は迷わず鍬で――
ブンッ!
「――おっしゃあぁ!!」
鍬の一撃でミミズは真っ二つ。
そのままズルリと地面に沈み込み、あっさりと討伐完了。
「え……終わり?」
「……あんなにビビってたのに、拓海がやると一瞬なのね」
「だって、畑仕事より簡単だし」
農民最強伝説、ここに極まれりである。
討伐後、恒例の宝箱を開けると――
「……ガソリン?」
「え、何に使うのコレ」
中には赤いポリタンクが鎮座していた。
「なるほど……次は火が有効なステージってことか」
「いやいや、そもそもポリタンクそのまま出すのどうなのよ、異星人」
呆れるレイカをよそに、俺はスマホのショップを開く。
どうやら火を扱うアイテムがズラリと並んでいる。
「よし、次に備えて……バーナー、火打石、ついでに焼き芋セットも買っとくか」
「最後の要る!?」
「いや、せっかくだからダンジョンで焼き芋パーティーしようぜ」
ルピナは「やったー! 甘いの大好き!」と大はしゃぎ。
こうして俺たちは、ガソリン片手に次のステージへと足を踏み入れるのであった。
「俺、農家なんですけど〜スコップはダンジョンを制す〜」という作品も連載しています。
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