表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

971/1156

初めての出征 ㉚

 魔力の手で触角ヘビの反応を探知してからしばらく、何事も無く隊列は進んだ。

 下草が多い森を歩くことには不慣れは人が多いから想定よりも進むペースが遅い。

 下草が多いから何だ、って思うかも知れないけど、シダ類の株って意外と茎が太いんだよ。

 蹴躓いたり足元を取られる程度には太い。大きな葉の下は陰になるから地形が傾いたり凹んでいたりしても見えにくいしね。

 探知から1時間以上も掛かって触角ヘビが待ち伏せしている地点に接近する。


「・・・ルナリア。そろそろ警告しよう」

「距離はどのくらい?」

 「何を」って主語が無かったけど、「触角ヘビ」のことだとルナリアにはちゃんと伝わる。

 警告を促せば、ピリッと引き締まった声でルナリアが詳細を訊き返してくる。


「・・・12時の方向。若干左側にズレてる。距離100メテルだよ。ちょっと大きいから注意が必要だと思う」

「注意って?」

 だよね。伝え方が少し不親切だったか。

 でも、大きな個体がどんな挙動を取るかなんて私も想像するぐらいしか予測が出来ない。


「・・・跳ぶ距離が長いとか、かな?」

「了解。―――、前方に敵! 触角ヘビよ!」

「「「「「敵襲―――ッ!!」」」」」

 隊列の半ば、前方寄りに位置する私たちから前後へと、木霊するように注意喚起の指示が伝達されていく。

 警戒度が上がるのと反比例して進軍速度はさらに低下する。


「前方100メテル先、ちょっとだけ左側にズレてるわ! あと、遠くまで跳んでくるかも知れないから注意しなさい!」

「「「「「はっ!!」」」」」

 立て続けにルナリアが飛ばした追加情報に気合いの入った返事が返ってくる。

 固唾を呑む緊張の中、みんなが前方上方へ注意を集中している。


 ピーシーズは触角ヘビを狩り慣れているから、そっちは任せておいて良いだろう。

 全員の意識が上方へ向くということは足元が疎かになるのだから、私は足元の警戒へと集中する。

 魔力の手に送り込む魔力量を増やして知覚を鋭くするように意識する。

 広域のアクティブソナーもラクネの反応を見落とさないように注意を強める。

 程なく前衛部隊から声が上がった。


「居ました! 敵影確認! 本当にデカいわ!」

「慎重に距離を詰めろ!」

 無事に触角ヘビの姿を見付けたみたいだね。

 新人さんたちが仲間同士で相互に注意喚起し合う声が私の耳にも届く。


「どこまで飛んで来るか予想できないから注意するのよ!」

「「「「「オウッ!!」」」」」

 狩り慣れているメリーナさんの指示に男女を問わず勇ましい声が応えている。


 ラクネは今のところ動きが無いね。

 こっちの気になる部分は探知範囲内にラクネが入り続けていることかな。

 ノーアが探知してから3キロメートルほど進んだのに、まだ私の索敵圏内に引っ掛かり続けている。


 数が多い分、分布範囲が広いってことかも知れないけど、それだけだろうか?

 どうにも嫌な感じがするんだよね。

 初めて戦う魔獣は私の想定を超える動きをする可能性が有る。

 油断しないように私も慎重に、しっかりと注視しておかないと。


「跳んだぞ! 散開しろ!」

「うおおっ! なんだ!? この飛距離!」

「槍だ! 槍! 突け突け!」

 ドスン! と触角ヘビが着地した重たい音が20メートル以上は離れている私のとこまで響いてきて、聞こえてくる声から戦闘が始まったことを察する。


 触角ヘビの強みは奇襲性で、自由落下の運動エネルギーを加算した体当たりで獲物を押し倒し、筋肉の塊とも言える長い胴体で獲物を締め上げる。

 それでも獲物が抵抗を諦めないなら毒牙の出番なんだけど、毒液の分泌量に限度が有るのか触角ヘビ自身にも毒が効くのか、すぐには噛み付いて来ない。


 私は今まで噛み付き毒牙攻撃を食らったことが無いし、毒液を飛ばしてくるタイプの毒蛇では無いから、噛み付きだけ防げば落ち着いて対処できる。

 狩り慣れたメリーナさんなら尚更だよ。

 安心して戦闘が終わるのを待っていられると考えたそのとき、新たな動きが有った。


「・・・あっ。来る」

「えっ?」

 私が漏らした声にルナリアが反応した。


「・・・ラクネが動き出した! こっちに向かってくる!」

「うそっ!?」

 ルナリアが焦った声を上げるけど、そんなに猶予は無いから容赦なく情報を投げ付ける。


「・・・8時の方向! 距離2キロメテルだけど、かなりの速度で迫ってきてる! 手が空いてそうな子に迎撃態勢を取らせて!」

「わ、分かったわ!」

「「「「「敵襲―――ッ!!」」」」」

 動揺が抜けていないルナリアに代わって、ミセラさんたちとサーシャさんたちが警告の声を張り上げた。

 ミセラさんたちの声でいくらか冷静になったルナリアも負けずに声を張り上げる。


「後ろよ! 左斜め後方! まだ距離は有るけど、―――どのぐらいで来るの!?」

「・・・2分間も掛からない! 数はたくさん! 私は後方に下がって迎撃に参加するからルナリアは指揮に集中して!」

 おっと。情報が足りていなかったね。

 ルナリアに追加情報を与えると同時に私は後方へ向けて走り出す。

 私の背中にエターナさんの声が付いてくる。



初めての出征㉚です。


挟撃された!?

次回、パニック映画!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
狙って連携? それとも偶然? 蛇のおこぼれ狙いっぽいな 屍肉喰らいらしいから蛇に斃された獲物を横取りする生態なのかも
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ