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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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初めての出征 ①

「・・・えっ? お母様たち、もう領主館に戻ったの?」

 つい、訊き返してしまった私にエレーナさんが返した返事は、人間社会の厳しい現実だった。


「そりゃあ、ドネルク閣下が到着されましたからね。エゼリア様はもちろんのこと、フレイア様も出掛けているわけには行かないでしょう」

「・・・そ、そうだよね」

 後片付けは自分でしろと・・・。ですよねー。

 結局、スクランブル発進から“獰猛くん”追放まで丸1時間も無駄にさせられる羽目になった。

 でも、畑に穴ぼこを開けまくってお説教確定コースだというのに、ノルマは消えて無くなったりしない。


「作業の続きに戻るわよ!」

「・・・うん」

 責任感が強いルナリアに急かされて作業現場へと戻る。

 工程管理業務を任されている技師さんが迎えに来てしまった以上、戻らざるを得ない。


 それがどういうことかと言えば、私たちがお昼ご飯を食べる時間が無くなったわけで、ものすごく上機嫌なディディエさんとダーナさんが私たちの後を付いてくる。

 なぜ上機嫌なのかと言えば、ルナリアと私のサンドイッチとティーセットを持って付いて回ることになったからだ。


「はい。あーん」

「・・・あーん」

 モコモコ作業で忙しい私たちは、両手両足が忙しくても口だけはヒマだからね。

 作業しながらでもお昼ご飯を食べることになんの問題も無いんだよ。


 そうしてモコモコしつつ、こうやってディディエさんたちの手でサンドイッチが私たちの口へとねじ込まれる羽目になった。

 日本で私が独居生活をしてた頃は、パソコンの前でご飯を食べつつキーボード叩くなんてお行儀の悪いことは日常茶飯事だったけど、ルナリアにとっては初体験で、微妙そうな顔で差し出されたサンドイッチを大人しく囓っている。


「そろそろアスクレーたちが帰ってくる頃じゃない?」

「・・・あー。そうかも」

 アスクレーくんは今朝から早速、新領民たちと一緒に採掘場へ通い始めているからね。

 出荷作業はミリア叔母様と一緒に初めて採掘場へ行ったときに体験済みだけど、ワナに掛かった獲物の回収作業は初めてだよね。


 現在時刻は14時前ぐらい。

 普段、私たちが出荷と回収を終えて帰ってくるのは15時から16時ぐらいだけど、ルナリアの言う「そろそろ」とは、「すぐに気絶するだろうし、早めに帰ってくるだろう」って意味だ。

 空へ視線を飛ばしながらルナリアが首を傾げる。


「そういえば、ドネルク叔父様ってどうするのかしら」

「・・・どうって、何が?」

 唐突だな。さすがの私も意味を計りかねたよ。

 とはいえ、女の子と話していると、こういう唐突な話題変更は日常茶飯事だからね。


「ナーガ川の上流へ行くのって明明後日よね?」

「・・・ああ。まだレティアに居る可能性が高いのかぁ」

 どうするんだろうね?

 ドネルクさんまで一緒に来る必要性は無い気がするけど。


「エゼリア叔母様も行くのよね?」

「・・・確かに。叔父様も一緒に行くって言い出しそう」

 エゼリアさんは嫁入り先で自分が苦労しないようにと、吸収できる技術を目一杯に吸収してから嫁ぐつもりだからね。


 緊急時にもしっかりとエゼリアさんをエスコートしていたドネルクさんが、危険な森の奥へエゼリアさんだけを行かせるとは考えにくいな。

 エゼリアさんを大事にして欲しい私としては、とても好ましいんだけど、ドネルクさんの立場的に大丈夫なんだろうか?


「冒険者ギルドって、叔父様が管理してるのよね」

「・・・そのはずだよ。国王陛下のことだから、もう手続きを終えてるんじゃないかな」

 お母様たちが西部国境地域へ出征する前に内戦後の身の振り方を決めていたように、ドネルクさんも出征前に騎士団長の立場から身を引くと決めていたらしいし。


 責任有る立場だったドネルクさんが王様に相談なく決めたとは考えにくい。

 だとすれば、2ヶ月間近くもの時間をあの王様が何もしなかったとは思えない。

 しかも、自己謹慎を解いた宰相さんが職務に復帰してるのに、何の手も打っていないわけがない。


 きっと手続きは終わっているし、手続きが終わったならドネルクさんは新たな職場へ乗り込んだはずだ。

 ドネルクさんはハインズお爺様の弟子だというし、同じ系統の脳筋なら絶対に乗り込むに決まってる。

 レティアの町に来て、私も脳筋の行動様式に対する理解を深めたし、私が同じ立場だとしても間違いなく乗り込むもの。


「叔母様も忙しくなりそうよね」

「・・・だろうね」

 完全復活とまでは行かなくとも王妃様もご公務に復帰されたみたいだし、エゼリアさんたちは王妃様の補佐を期待されての縁談だったから、嫁入り先と王都を往復する生活になるんだろうな。


 そう言えば、バルトロイさんも正式な婚約の挨拶に来るはずなんだよね。

 バルトロイさんも真面目な人だから、正式な話になった時点でレティアの町へ来るつもりだったはず。

 そう考えると、王国の主要戦力が全員レティアに集まることになるんだよね。

 バルトロイさんも一緒に来ると言い出しそうだなあ。






初めての出征①です。


主力戦力集結!?

次回、フィオレ湖!?

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― 新着の感想 ―
ほぼ確実に絶対皆行くでしょうね( ̄▽ ̄) 安心なんじゃないでしょうか( ̄▽ ̄) 敵は震え上がるかもしれませんが
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