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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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未来 ㉓

 そうだよ。

 今できることをするしか無いんだ。

 なら、答えは簡単だ。


 考え直してみるまでも無かったな!

 ”人類最初の叡智”こそが有機生命体に最も効率的にダメージを与えられるはず!

 問題は、今の私に“蒼焔”を撃つどころか、他の魔法を使う余裕がまるで残っていないことだけどね!


 確かに今の私は手一杯だ!

 だけど、特等席で観戦している観客ならここに居る!

 手が空いているなら観客にも手伝わせるべきだろう!


「・・・ルナリア! 焼いて焼いて!」

「ええっ!? わたしが焼くの!?」

 こんがりと焼き上げる重要任務を丸投げしてみると、私の背中で騒いでいただけのルナリアが抜き打ちテストに驚く生徒のような声を上げた。

 無賃乗車は許しまへんえー!


「・・・私は維持するだけで精一杯!」

「え、えーっと、“火球”!!」

 動揺しながらもルナリアが生み出した火の玉は、数十メートル先の巨大スライム目指してほよほよ~っと飛んで行った。


 “フィア”の魔法を少しだけ大きくしただけの、日本的“火の玉”を思わせるたまが頼りない軌道で空中を移動して行く。

 あの”火球”って、アニメやマンガで出てくる魔法のように爆発したりはしないんだよねぇ。

 そもそも、圧縮されて内圧が高いわけでも無く、信管も付いていない火の玉が接触で起爆することなんて物理的に起こるわけがないからね。


 “実のところ、火魔法が秘伝の家宝となっているピーシス家系に較べて、ウォーレス家では火魔法に対する警戒心が強くて訓練する機会が少ないんだよ。

 武力を重視して常に戦争に備えている家系なのに、なぜそんなことになって居るのかといえば、家だの小屋だのを吹き飛ばしまくって反省の態度一つ示さなかった誰かさんのせいである。


 火魔法はダメとか止めろとか言われるわけじゃないけど、特にシェリアお婆様にものすごく警戒される。

 そこへルナリアが剣術に夢中になっていたものだから、ルナリアの火魔法は訓練があまり進んでいない。

 だけど、今は緊急事態だ!

 名目上、自分が治めている領地の本拠地なのだから、名義上の領主であるルナリアに甘えは許されない!


「・・・行け―――ッ!! ―――あっ」

 今の私は手も足も魔力制御もフル稼働中で口しか自由にならないから、声援と念力で何とかならないものかと応援してみたけど、頼りない火の玉は巨大スライムの体表で頼りなくシュンと消火した。

 うん! 知ってた!


「ぜんぜん効いてないわよ!?」

「・・・じゃあ、どうすんの!?」

「どうするって、どうすれば良いのよ!」

 ええい! 言い返す口は達者なルナリアミサイルでも撃ち込むか!?


 火魔法は役に立たないけど口は元気なんだから、物理的に噛み付くとか心をへし折る毒舌を吐くとかミラクルを起こして何とか出来たりしない!?

 ルナリアと私でお腹と背中を引っ付けた状態でワーワーギャーギャーと騒いでいるところへ、凜とした張りのある美声が届いた!


「ルナリア!! フィオレ!!」

「「お母様!!」」

 ルナリアと私の声が見事にハモる!


 2人揃ってバッと顔を振り向ければ、これ以上なく心強い援軍が来てくれた!

 うおおおおおおっ! これで勝つる!!

 カッとなっていて指示を出すことも忘れてたけど、誰かが呼びに行ってくれたんだな!

 グッジョブだよ!


「何だ、この有り様は!」

「・・・焼いて焼いて!!」

「早く早く!!」

 状況説明をしているような余裕は無いからルナリアと2人でやいのやいのと要求する!


 普段ならビビって震え上がるだろうご機嫌ナナメなお母様の怒声も、今は救いの天使が美しく歌い上げているように聞こえるよ!

 腰のサーベルを抜き放ちながら呆れたように首を振ったお母様から、私への具体的な指示が飛んでくる!


「地上に被害が出る! もっと高く上げろ!」

「・・・くっ!! こ、これでどうだああああああっ!!」

 魔力制御は一杯一杯だけど、気合い一発で似非“〇ーもくん”の両腕をグググと伸ばして背伸びする!


 ヤッバ! 空へと掲げた両腕が少しだけ伸びたのを感じるけど、空を見上げてそれを確かめる余裕なんて私には無い!

 いくら短足でも巨大な重力に負けそうになるコンニャク板を真っ直ぐに伸ばし、さらに重力に逆らって爪先立ちで巨大スライムを頭上に掲げているのだから、直立させるバランスも厳しくなってメチャクチャ制御がキツい!


「ヨシ! そのままだ!」

「・・・は、はい~ッ!!」

 くうううううっ! もう目を開いているのもキツくって、粗くなってきた呼吸を堪えてギュッと瞼を閉じる!


「ルナリア! お前は防御術式だ!」

「は、はいっ!!」

 引き続いてお母様から飛んできた指示に、お母様の到着に安心して油断していたルナリアの声が裏返っている!


「2人とも、火だるまになって死にたくなければ死ぬ気で耐えろ!」

「ええっ!?」

 可愛い娘たちに向かって何という無茶振り!!

 まさか、ここへ来て対処法が根性論とは!


 恐らく、お母様は“白焔”か“紅蓮”を使うつもりなのだろう!

 もっと何か指示が有るのかと思えば、そんなことは無かった!

 ていうか、矛盾してない!?

 死にたくないから耐えきるつもりだけどさあ!



未来㉓です。


攻城兵器に耐えろという母!?

次回、決着!?

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― 新着の感想 ―
ウォーレス家では火魔法に対する警戒心が強くて訓練する機会が少ないと言う割にはルナリアが一番最初にフィオレに見せた魔術は火だったような気がするけどなぁ、違ったかな?
人類よりスライム最強?
あーもう、めちゃくちゃだよwww
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