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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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開眼 ㊻

 マルキオお爺様とお母様には私からもお願いしておくし、喜んで参加してくれるだろう。

 その気になったジアンさんとマルキオお爺様とお母様からは、籠城戦が得意なアスクレーくんでも逃げられないんじゃないかな。

 私が向けたアイコンタクトに笑い目で満足そうに頷いて返したジアンさんが、飛んで火に入るアスクレーくんの背中を押して促す。


「では、バンダースナッチを見に行きましょうか。バイコーンも有りますよ」

「行こう! すぐ行こう!」

 待望のご対面タイムとなったアスクレーくんがテンションMAXで意気揚々と歩き出し、自分の馬の鞍へとよじ登る。


 ハイになっていて、置き去りにした自分の馬がなぜ目の前に居たのか疑問に感じていないようだし、自分が垂直発射されてきたことも忘れているみたいだね。

 ヨシヨシ。

 細かいことは気にせずそのままの勢いで突き進んで欲しい。


 なぜなら、それがウォーレス領では標準の思考回路だからだ。

 記憶と思考を司るのが仕事の脳細胞と違って頭蓋骨内へとオーバーフローした筋肉の記憶容量は小さいし、アスクレーくんがすっかり忘れていることもまたウォーレス領では自然の摂理だと言えよう。

 そう! アスクレーくんが忘れている以上、私は許された!


「「「「「おおお~」」」」」

 自ら進んで行動するアスクレーくんの姿に、主の次男坊の引き籠もりを知る騎士様たちが感動の面持ちで拍手する。

 ファーレンガルト家でもアスクレーくんに手を焼いてたんだろうなあ。

 後はジアンさんが上手くやってくれるだろう。


「フィオレ様。私も仕事を終わらせて参ります」

「・・・うん。お願い」

 私に一声掛けたエターナさんが自分の馬へと向かい、ファーレンガルトの騎士様たちもルナリアと私に向けて一礼する。


「では、我々も失礼いたします」

「・・・はい。ご苦労さまでした」

 職務を完遂するために騎乗して去って行く騎馬の一団を見送れば、ルナリアがドーンと引っ付いてくる。


「上手くアスクレーをその気にさせたわね! ビックリしちゃったわ!」

「・・・確か、魔獣好きだったなー、と思って。これで引き籠もりを止めてくれれば良いんだけど」

「そうねぇ」

 しみじみとルナリアが息を吐いた。


 同年代の再従兄妹はとこのことだから、アスクレーくんの引き籠もりはルナリアも気にして居ただろうことは想像が付く。

 元々、アレース・アスクレー兄弟に対してルナリアの当たりがキツめだったのも、王都育ちの兄弟にもどかしさを感じていたのだろうしね。

 アレースお兄様はアスクレーくんよりも活発だけど、それでも線の細いイメージは有った。


 とはいえ、ルナリアが求めるウォーレス領基準が王都で通用するのかといえば、絶対にそんなことない。

 例えば、ウォーレス領では何かにつけて模擬戦を始める。

 私もピーシーズとの初顔合わせでアリアナさんとの模擬戦になった。

 エターナさんやエイラさんが受けた洗礼もまた、それらの1つだ。


 アンリカさんとアリアナさんが王城の訓練場で模擬戦を始めたときの騎士様たちの反応を見れば、ウォーレス領の普通が王都では普通じゃなかったのは明らかだ。

 王都基準では普通でも、ルナリアの目には物足りなく映っても不思議じゃなかったろう。


 さて、どこまで頑張ってくれるかな?

 ウォーレス領に馴染んでしまえば平気になるんだから、もっと早くに世話を焼いておけば良かったね。

 アスクレーくんが逃げ出しにくくなるように包囲網を固めるだけは固めてみたけど、いつまで続くか分かんないし。

 定期的にその気にさせる手段を考えておかないとなあ。


「ルナリア様~! フィオレ様~! こっちお願いします~!!」

「「あっ。はーい」」

 手を振る技師さんのところへと急いで、早速、モコココココっと作業を再開する。


 拙い拙い。

 結構長く休憩しちゃったから私たちも頑張んないと、餌にした遡上計画自体が止まっちゃう。

 必要なことでは有ったけど、人の世話を焼いている余裕が今の私たちに有るのかといえば、ぜんぜんそんなこと無いんだし。

 採掘場チームが帰還したってことは今日の作業時間は1時間も残っていないはず。

 頭上を見上げれば陽が傾いて来つつ有って、空の色に赤みが混じりつつ有る。


 ノルマに対して今日はちょっとだけショート気味かなあ。

 もっと慣れれば多少はペースも上がるだろうから、明日明後日で巻き返すしかないな。

 しばらくモコココココ作業を続けていると、キリが良いと判断したらしいタイミングで技師さんがストップを掛けた。


「今日の作業は終了です! お疲れさまでした!」

「・・・シター」

「お疲れさま!」

 現場を締めて技師さんがせわしく去って行った。


 他の工程の進捗と摺り合わせたりと彼女も忙しいのだろう。

 技師さんの背中を見送って今日の戦果リザルトを反芻する。

 頑張ってモコココココっとした現場の数は、最終的にギリギリ90ヶ所に届かなかった。


 ぐぬぬ・・・!! 結構、慣れたと思ったのに!

 仕方ない。今日のところはこのぐらいで勘弁してやろう。

 明日は負けないから覚えてろよ。



開眼㊻です。


今日はもう終わり!?

このお話で本章は最終話となります!

次話より新章、第41章です!

次回、シュッ!?

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