表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

905/1071

開眼 ㊵

「・・・驚かせてごめんなさい。お兄様が気付かず行っちゃいそうだったので、つい」

「そ、そうなのですね」

 オホホ~って感じに出血大サービスの営業用スマイルも付けて答えれば、騎士様たちがさらに困惑顔になる。

 簡単には騙されてくれないか。


「ちなみに、一体、どうやったのかは・・・」

「・・・女の子の秘密です!」

 これでどうだ。

 追究を諦めない騎士様たちに異次元の謎理論で堂々と言い切る。

 いくら親戚関係の味方だとはいえ、大事な人たちの隠し球として教えている魔力の手まで種明かしする必要は無いだろう。


 大怪盗が入れ込む悪女も「女の子から隠し事を取ったら何も残らないわ」と言ったとか言わなかったとか。

 スレッドの書き込みで見ただけだから知らんけど。

 ミリア叔母様に話が伝わって訊いてきたときは、ミリア叔母様にだったら教えるけど、そうじゃないなら他所様の人たちにそこまで教える義理は無いよ。

 騎士様たちの困惑が深まる。


「お、女の子の、ですか?」

「・・・そう! 女の子の! 聞きたいのですか?」

「いいえ! 失礼いたしました!」

 有る意味、本当にセンシティブな話題だから、謎理論でゴリ押ししてコテッと首を傾げれば、ブンブンと首を振る騎士様たちはついに追究を諦めた。


「僕も驚くから、もうしないでくれるかな?」

「・・・はい。緊急時以外ではしません」

 苦笑しながら言うアスクレーくんに、大きく頷いて返す。

 私の断言にカクッとアスクレーくんの首が傾ぐ。


「緊急時はするの?」

「・・・当然です。お兄様に死んで貰っては困りますから、緊急時は自重しません」

「ええ・・・?」

 アスクレーくんが嫌そうに眉を寄せる。

 おや。もう飛びたくないと?


「ははは! 流石はピーシス女性ですね。奥様とよく似ていらっしゃる」

「・・・あら! ミリア叔母様と似ているなんて光栄です!」

 ファーレンガルト家で「奥様」と呼ぶならミリア叔母様のことのはずだ。

 微笑ましそうに笑い声を上げた騎士様にお礼を言うと、騎士様は目を細めて頭を下げた。


「フィオレ様。アスクレー様をよろしくお願いいたします」

「・・・もちろんです! アレースお兄様が危険になったときも、ファーレンガルト領までアスクレーお兄様と一緒に飛んで行きますからね!」

「これは頼もしい! アレース様にお伝えしておきます!」

 騎士様たちみんなが明るい表情で笑う。


 緊急事態なら馬よりも魔力の「足」で走った方が早いはずだ。

 ルナリアも行くと言うかも知れないけど、背中に背負うのがルナリア1人でもルナリアとアスクレーくんの2人でも大差無い。

 あれ? アスクレーくんも釣られて笑ってるけど、ちょっと様子がおかしいね。

 モコモコ小山を見上げていた真面目な技師さんが私たちへ目を向けてくる。


「ルナリア様、フィオレ様。ここは終了で結構です」

「「はーい」」

 他でも無いアスクレーくんに関することだから、ちょっとだけ休憩で良いだろう。

 魔力の手を消してモコが止まり、ようやくアスクレーくんに体ごと向き直る。


「・・・アスクレーお兄様?」

「ん? なに?」

 1歳年上のアスクレーくんは、身長が私と変わらない。

 アスクレーくんは引き籠もりのインドア派で運動不足だろうし、運動していないだけ有って食も細い方だったはず。


 それに、男の子よりも女の子の方が成長期が早いんだっけ?

 私とそんなに目線の高さが変わらないアスクレーくんの顔を、違和感の原因を探してじーっと覗き込む。

 覗き込まれた方のアスクレーくんは落ち着かない様子で顔を逸らした。

 お? 猪口才な。


「・・・なんで顔を逸らすんですか」

「ちょっ! ええっ?」

 両手でハシッとアスクレーくんの顔を捕まえて強引に私の方へ向ける。

 顔をこっちに向けさせても目が泳いでるんだけど、なぜ私から目を逸らす?


 ほんのり顔が赤くなっているように見えるのは気のせいだろうか?

 風邪? じゃあないよね?

 病気っぽい気怠けだるそうな感じでは無さそうだし。

 馬上で風に晒されて体が冷えるにしても、今のアスクレーくんから感じる違和感はそういうのじゃない気がする。


「・・・なんだか元気がないですね。何か有りましたか?」

「そ、そんなことは無いよ。むしろ、無かったからガッカリしちゃってね」

 元気が無いのは落胆してるから? 何それ?

 落胆って私のことだろうか?

 いやいや。何も無かったから落胆ってことは、私が落胆されたわけでは無いはずだ。


「・・・うん?」

「楽しみにされていた魔獣を見られなかったのですよ」

 今ひとつ元気が無いアスクレーくんに目を細めて苦笑する騎士様たちが、落胆の答えを教えてくれた。

 そこでアスクレーくんが実家へ帰省した理由を思い出した。


「・・・ああ~。猩猩を見に帰っていたのでしたよね?」

「往復に4日も掛けたのに、ショージョーどころかバンダースナッチも見られなくてね」

 アスクレーくんが疲れた笑みを浮かべる。

 元気が無いのは落胆だけでなく徒労感もかな?



開眼㊵です。


オホホ~!?

次回、どうどう!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
バンダースナッチなら見放題だよ!
奥地探索に強制連行の前振りですね
バンダースナッチならすぐに見られそうだね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ