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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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開眼 ㉒

「・・・そう言えば、エイラさんは?」

「すでに領主館前で待機しています。自分が居た方が良いだろうと」

 今朝からエターナさんの部下に付いたはずなのに姿が見えないと思えば、もう仕事を始めてるのか。

 きっとエイラさんは、同胞の若い子たちや子供たちの橋渡し役になろうとしているのだろう。


「・・・よく気が付くね」

 率先して行動しようとする性質に好感が持てるし、他人への気遣いを忘れないところも良い。

 責任感も強そうだし、優れたリーダーになるんじゃないかな。


 3の鐘までに領主館前へ集まるようにと、子供たちに伝えたときに、エイラさんはエバンさんの傍に付いていて聞いていなかったはずだから、もしかすると、もう領主館の前に人が集まってるんだろうか。

 エイラさんの資質に思いを馳せている内に、みんなの目が私へと集まっている。

 私に釘を刺すべく口を切ったのは、お母様だ。


「ナーガ川上流への遠征よりも住居建設の方が優先度が高い。それは分かっているな?」

「・・・うん。だから、すぐに終わらせてくるよ」

 これは、ノーアを連れていくかどうか以前に、やるべきことを終わらせていなければ許可しないというお母様の宣言だ。

 カトラリーをお皿に置いた私の答えに、お父様がジアンさんへ目を向ける。


「作業の見込みは、どの程度だ?」

「建設には工兵部隊が当たりますから、フィオレ様たちの当面の担当作業は2~3日も有れば終わるでしょう」

 ジアンさんの見立てにお爺様たちが頷く。


「難民もその頃には到着し終えているだろう」

「では、支障が無ければ、ナーガ川上流への遠征は4日後に行うとしよう」

 マルキオお爺様の見立ても加わって、ハインズお爺様が決断を下す。


 これで一通りの話は決まったかな?

 隣を見ればルナリアも食事を終えてカトラリーを置いている。

 よぉーし。ヤルぞ。

 最後のまとめはお母様だ。


「ヨシ。じゃあ行ってこい」

「「はいっ」」

 ルナリアと2人、声を揃えて席を立つ。

 慌てて席を立ったサーシャさんを誘導してディディエさんたちが私たちの後ろに続き、ササッと移動しているジアンさんとエターナさんが開けてくれた扉を潜って廊下へ出る。


「「「「「おはようございます」」」」」

「・・・おはよう」

「おはよう! みんな!」

 普段なら足を止めて挨拶するところだけど、今朝は時間が押してるから足を止めない。

 廊下にはピーシーズとミセラさんが待機していて、ピーシーズと挨拶を交わしてそのまま列に加える。


 甲冑を着た人が6人も居ると、ガッチャガッチャと金属が擦れる音が廊下に響いて賑やかだね。

 質問が無いということは、サーシャさんのことはミセラさんたちからピーシーズに説明してくれていたのだろう。

 後ろを見れば、レヴィアさんが外套らしき衣服をサーシャさんの手に押し付けている。

 早速、ミセラさんが私たちと歩調を合わせ、現状報告を始める。


「エクラーダ民の若者たちが100人近く集まっておりますが、どうしますか?」

「・・・馬車は足りそう?」

 思ったよりも数が集まったな。

 まだ全ての難民が到着していない初日でコレだと、明日以降はさらに増えるのかも。


「20台ほど出すことになりますが、手配済みですので、そちらは問題ありません」

「・・・じゃあ、採掘場では、新人さんたちとエクラーダ民で2つに分けて、別々に作業をさせてくれるかな」

 さすがだな。そつの無いミセラさんたちは、私の心配を先回りして処理しておいてくれたようだ。

 続いての作業グループを2つに分けろという指示にミセラさんが首を傾げる。


「理由をお聞きしても?」

「・・・一度に囲いの上へ上がると、身動きが取れなくなるからだよ」

 単純明快。物理的な問題だよ。


 80人でキャットウォーク上がかなり一杯に見えたのに、180人も上ったら作業できなくなっちゃう。

 何より、人が乗りすぎてキャットウォークが崩壊するなんて悲劇的な事故は起こって欲しくない。

 シカの囲いまで崩壊したら採掘場が全滅しかねない大惨事だよ。


「それもそうですね」

 昨日の様子を思い出したのか、チラッと廊下の天井へ視線を泳がせたミセラさんが頷く。

 納得して貰えたようなので、指導分担の指示に移る。


「・・・強化が先行している新人さんたちはジアンさんたちに任せて、崖上の回収作業をさせて。サーシャさんたちとエイラさんを含めて今日が初めての人たちは、ミセラさんたちの指導で崖下の出荷作業をさせてくれるかな」

「「「はっ」」」

 自分たちの分担が決まったミセラさんたちがスゥッと脇に避けて、スススと列の後方へ下がっていく。

 1階へと向かう階段を下りながら割り振りの指示を続ける。


「・・・ジアンさんとエターナさんは崖上で回収作業の指導をお願い。ここ数日の傾向から考えて、バンダースナッチが掛かっている可能性が高いと思うから気を付けてね」

「「はっ」」

 バンダースナッチと聞いて2人にピリッと緊張が走ったけど、それだけだ。


 エターナさんは昨日経験したばかりだし、戦場での実戦経験が有るジアンさんなら即座に対応するだろう。

 鬼教官のジアンさんが居て新人さんたちが気を抜くわけが無いしね。

 猟師さんたちも居るんだから、崖上は安泰だと思える。


「・・・ルナリアと私はイディアさんたちと住居建設のお手伝いに参加するから、私たちの護衛はピーシーズとディディエさんたちでお願いね」

「「「「「はっ」」」」」

 ピーシーズはいつも通りだ。

 ディディエさんたちは、護衛と言っても実際のところ私たちのお世話係だね。



開眼㉒です。


鬼教官再び!?

次回、意外!?

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